リッキー・シモン

リッキー・シモン（Ricky Simón）は、1992年 8月31日生まれ、アメリカ合衆国オレゴン州ペンドルトン出身の男性総合格闘家です。現在、チーム・オーヤマに所属しており、かつてLFAバンタム級王座を獲得した実績を持ちます。彼のキャリアは、レスリングを礎に築かれ、プロ総合格闘技の世界へと発展しました。

幼少期からスポーツに親しみ、特に9歳からはレスリングに打ち込みました。高校卒業後、彼は総合格闘技の世界に足を踏み入れ、専門的なトレーニングを開始しました。プロキャリアは2012年にスタート。すぐにその才能を開花させ、地域のプロモーションで活躍しました。特にLFAではバンタム級の頂点に立ち、UFC参戦前には13戦12勝という輝かしいプロ戦績を記録しています。

UFCでの戦い

2018年4月21日、リッキー・シモンはUFCデビューを果たしました。初陣となった「UFC Fight Night: Barboza vs. Lee」でメラブ・ドバリシビリと対戦。この試合は激しい攻防の末、最終ラウンドの終了間際にシモンがギロチンチョークによるテクニカル一本勝ちを収めるという劇的な展開となりました。このデビュー戦のパフォーマンスは高く評価され、「ファイト・オブ・ザ・ナイト」に選ばれています。

UFCでのキャリアは順調に始まるかと思われましたが、その後はトップ戦線の壁にも直面します。2019年7月13日の「UFC Fight Night: de Randamie vs. Ladd」では、元WEC世界フェザー級王者のレジェンド、ユライア・フェイバーと対戦。経験豊富なフェイバーの前に、試合開始からわずか46秒、右フックからのパウンドでTKO負けを喫しました。

さらに同年12月7日、「UFC on ESPN: Overeem vs. Rozenstruik」では、当時バンタム級ランキング10位に位置していた強豪ロブ・フォントと対戦。フルラウンドに及ぶ接戦となりましたが、判定で敗れ、キャリア初の2連敗を喫しました。しかし、このフォント戦もまた、その内容が評価され「ファイト・オブ・ザ・ナイト」を受賞するなど、敗戦の中にもシモンの持ち味である激しいファイトスタイルが光りました。

連敗を経験したシモンですが、そこから見事に盛り返します。特に2021年以降は目覚ましい活躍を見せ、バンタム級ランキングを駆け上がります。2021年12月18日の「UFC Fight Night: Lewis vs. Daukaus」では、バンタム級12位のハファエル・アスンソンを相手に、右フックでダウンを奪いパウンドによる2ラウンドKO勝利を飾りました。

続く2022年7月16日、「UFC on ABC: Ortega vs. Rodríguez」では、当時無敗のジャック・ショア（バンタム級14位）と対戦。グラウンドでの巧みな展開から、2ラウンドに肩固めによる一本勝ちを収めました。この勝利は「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」に選ばれ、シモンはこれで破竹の5連勝を達成し、バンタム級のトップコンテンダーの一角に名乗りを上げました。

勢いに乗る中、2023年4月29日、「UFC on ESPN: Song vs. Simón」にて、バンタム級8位のソン・ヤドンと対戦。勝利すればタイトル戦線が一気に近づく重要な一戦でしたが、最終ラウンドに左フックでダウンを奪われ、パウンドによるTKO負けを喫し、連勝はストップしました。

しかし、直近の試合では再びそのフィニッシュ能力を発揮しています。2025年2月22日の「UFC Fight Night: Cejudo vs. Song」でジャビッド・バシャラートと対戦。初回に右ストレートで鮮烈なKO勝利を飾り、再び「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を獲得。トップファイターとしての存在感を示しました。

人物・エピソード

総合格闘技界との繋がりは深く、同じくUFCで戦うヴィンス・モラレスは彼の従兄弟にあたります。

獲得タイトル・主な表彰

- 第二代LFAバンタム級王座（2017年）
- UFCファイト・オブ・ザ・ナイト（2回受賞）
- UFCパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト（2回受賞）

リッキー・シモンは、その激しいファイトスタイルと、KOや一本といったフィニッシュで試合を決められる能力で、常にファンを魅了しています。バンタム級のトップ戦線で今後どのように絡んでいくのか、そのキャリアから目が離せません。

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