ロブ・フォント

ロブ・フォント (Rob Font)

1987年6月25日生まれ、アメリカ合衆国マサチューセッツ州レミンスター出身のプロ総合格闘家。ニューイングランド・カルテルに所属し、UFC世界バンタム級の有力選手として知られています。

経歴

ロブ・フォントは2011年にプロ総合格闘家としてのキャリアをスタートさせました。当初はローカル団体であるCES MMAを中心に活動し、そこで11戦10勝という素晴らしい戦績を収め、2013年にはCES MMAフェザー級王座を獲得しています。この圧倒的なパフォーマンスが、世界最高峰の舞台であるUFCとの契約へと繋がりました。

UFCでの歩み

2014年6月5日、UFC 175でUFCデビュー戦を迎え、ジョージ・ループと対戦。試合開始からわずか1ラウンドで右フックによる鮮烈なノックアウト勝利を飾り、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞しました。このデビュー戦で、彼は自身の強力な打撃能力を世界に示しました。

UFC参戦後、バンタム級のトップへと徐々に昇りつめていきます。ジョン・リネカー（UFC 198）、ハファエル・アスンソン（UFC 226）といった当時のランキング上位選手との対戦では判定負けを喫したものの、ダグラス・シウバ・ジ・アンドラージ戦（UFC 213）ではギロチンチョークで一本勝ちを収め、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を再び受賞。さらに、トーマス・アルメイダ戦（UFC 220）では、代名詞ともいえる右ハイキックで相手をぐらつかせた後、強烈な右アッパーの連打で2ラウンドTKO勝利を飾るなど、打撃によるフィニッシュ能力の高さを随所で発揮しました。

約1年間のブランクを経て復帰した2019年12月のリッキー・シモン戦（UFC on ESPN: Overeem vs. Rozenstruik）では、白熱した展開の末に判定勝利を収め、「ファイト・オブ・ザ・ナイト」を獲得。そして2020年12月、当時のバンタム級ランキング3位であった元WSOF二階級王者マルロン・モラエスと対戦（UFC Fight Night: Thompson vs. Neal）。この試合では、鋭い左ジャブでモラエスをぐらつかせ、直後に放った右アッパーでダウンを奪い、追撃のパウンドにより1ラウンドTKO勝利という圧巻の内容を見せつけ、「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞。一気にタイトル挑戦圏内へと浮上しました。

2021年5月には、元UFC世界バンタム級王者のコーディ・ガーブラントとメインイベントで対戦（UFC Fight Night: Font vs. Garbrandt）。5ラウンドにわたるスタンドでの攻防で常に優位を保ち、元王者を相手に3-0の明確な判定勝利を収め、トップコンテンダーとしての地位を確固たるものにしました。同年12月、今度は元UFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドと対戦（UFC on ESPN: Font vs. Aldo）。積極的な手数でアルドを上回る場面もあったものの、アルドの決定打により2度のダウンを喫し、グラウンドでの劣勢も響いて判定負けとなりました。

2022年4月のマルロン・ヴェラ戦（UFC on ESPN: Font vs. Vera）は、「ファイト・オブ・ザ・Night」に選ばれるほどの激闘となりましたが、前日計量で体重超過があったため、ボーナス獲得の権利を剥奪されるという厳しい結果に終わりました。しかし、2023年4月、エイドリアン・ヤネス戦（UFC 287）では再びその強打を発揮。強烈な右フックからのパウンドで1ラウンドTKO勝利を飾り、「パフォーマンス・オブ・ザ・Night」を受賞し、ランキング上位への返り咲きを果たしました。

その後、2023年8月にはコーリー・サンドヘイゲン（UFC on ESPN: Sandhagen vs. Font）、同年12月には元フライ級王者デイブソン・フィゲイレード（UFC on ESPN: Dariush vs. Tsarukyan）といった実力者と対戦するも、いずれも判定で敗れました。しかし、2024年10月のカイラー・フィリップス戦（UFC Fight Night: Hernandez vs. Pereira）では判定勝利を収めるなど、常にバンタム級のトップシーンで戦い続けています。

ロブ・フォントは、正確でスピーディーなジャブを起点とした、優れたボクシング技術を持つストライカーです。特に右のパンチには一発で試合を終わらせる威力があり、多くのノックアウト勝利を収めています。キャリアを通じて、元UFC王者を複数人含む強豪との対戦を重ねており、バンタム級タイトル戦線における重要な選手の一人としてその存在感を示しています。

獲得タイトル・表彰

CES MMAフェザー級王座（2013年）
UFCファイト・オブ・ザ・ナイト（2回）
* UFCパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト（4回）

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