リッキー・ロメロ

リカルド・ロメロ・ジュニア：栄光と苦悩が交錯した左腕

リカルド・ロメロ・ジュニア（Ricardo "Ricky" Romero, Jr.、1984年11月6日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州イーストロサンゼルス出身の元プロ野球選手。トロント・ブルージェイズでエースとして活躍した左腕です。

生い立ちとアマチュア時代

メキシコ移民の家庭に生まれたロメロは、高校時代から才能を発揮。最終学年には12勝1敗、防御率0.53、162奪三振という圧倒的な成績を残しました。カリフォルニア州立大学フラトン校に進学後もエースとして活躍し、2004年と2005年にはカレッジ・ワールドシリーズ連覇に貢献。全米学生選抜にも選ばれるなど、アマチュア球界を代表する選手として注目を集めました。

2005年のMLBドラフトでは、トロント・ブルージェイズから全体6位という高い評価で指名を受け、プロの世界へ。

ブルージェイズでの活躍と苦悩

2009年：鮮烈なデビュー

2009年、ロメロは先発ローテーションの一員としてメジャーデビュー。リック・ポーセロとのドラフト1巡目対決を制し、メジャー初勝利を飾ります。その後、故障で一時離脱するも、復帰後はエースのロイ・ハラデイに次ぐ先発2番手として活躍。最終的に13勝を挙げ、新人王争いでも上位に入るなど、鮮烈なデビューを飾りました。

2010年～2011年：エースとしての地位確立

2010年には、5年総額3010万ドルで契約を延長。先発ローテーションを守り抜き、前年を上回る14勝を記録。防御率、WHIP、奪三振も向上し、エースとしての地位を確立しました。

2011年には自身初のオールスターゲームに出場。自己最多の15勝を挙げ、防御率も2点台を記録するなど、キャリアハイのシーズンを送りました。

2012年～2013年：暗転

しかし、2012年シーズンは一転。6月までは好調だったものの、その後は球団史上ワーストとなる13連敗を喫するなど、絶不調に陥ります。防御率はMLBの規定投球回到達者で最下位、与四球、WHIPはリーグワーストと、苦しいシーズンとなりました。

2013年には40人枠を外れ、その後はメジャーでの登板機会を得られませんでした。

ブルージェイズ退団後

2015年以降は、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結ぶなど、再起を目指しましたが、メジャー復帰は叶わず。メキシカンリーグでのプレーを経て、2019年に現役引退を表明しました。

プレースタイル

ヨハン・サンタナを彷彿とさせる、90マイル台前半の伸びのある速球と、鋭く落ちるチェンジアップが持ち味でした。特に、スクリューもしくはスプリッターに近い軌道で落ちるチェンジアップは、対戦打者を幻惑しました。また、カーブの評価も高く、ゴロを打たせて取るピッチングで、多くの併殺打を記録しました。

強心臓の持ち主で、チームの連敗ストッパーとなることも多く、捕手のロッド・バラハスもロメロの度胸を称賛していました。

晩年

速球の制球難に苦しみ、四球から自滅するケースが目立ちました。2012年シーズンは、オールスター前までは順調に勝ち星を重ねていたものの、7月以降は白星から遠ざかりました。

まとめ

リカルド・ロメロ・ジュニアは、ブルージェイズでエースとして輝きを放った左腕。特徴的な投球術と強心臓でファンを魅了しましたが、晩年は制球難に苦しみ、苦悩の末に引退しました。彼の野球人生は、栄光と挫折が入り混じった、ドラマチックなものでした。

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