イーストロサンゼルス

イーストロサンゼルスについて

イーストロサンゼルス（East Los Angeles）は、カリフォルニア州南部に位置し、ロサンゼルスの東隣に広がる地域です。しばしば「East L.A.」や「East Los」とも呼ばれ、スペイン語では「El Este」とも称されます。この地域は、正式な市ではなく、国勢調査指定地域（CDP）として統計的に扱われています。

人口と社会状況

イーストロサンゼルスの人口は、2000年の国勢調査で124,283人、2010年の推計では126,496人とわずかに増加しています。しかし、この地域はインナーシティに形成された人口密度の高い住宅地であり、住民の所得水準は低い傾向にあります。総人口の4分の1以上が貧困状態にあり、特に18歳未満ではその割合が35%にも達します。また、住民の99%以上がヒスパニック系で占められています。

歴史

創設期

イーストロサンゼルスの歴史は、スペイン人による入植から始まりました。当時は聖ガブリエル大天使ミッションが建てられた程度で、農場が広がる地域でした。1875年にサザン・パシフィック鉄道が開通すると、この地域で大規模な開発が始まり、ロサンゼルスのダウンタウンからの路面電車も延伸され、交通の便が向上しました。

モンテシト・ハイツやマウント・ワシントンといった地域は、当時、ダウンタウンを見下ろす丘の上に地中海様式の高級住宅が建ち並び、裕福なコミュニティとして発展しました。一方、エル・セラノやシティ・テラスには庶民が多く住んでいました。

ラテン化

20世紀初頭、イーストロサンゼルスはヒスパニック系やラテン系の住民が多く住む地域として知られるようになりました。これらの住民の多くはメキシコからの移民とその子孫です。しかし、それ以前は、この地域にもラテン系以外の住民が住んでいました。1930年代までロサンゼルス北東部には非ラテン系の白人が多く、イーストロサンゼルスの西に隣接するボイルハイツには、セルビア系、ユダヤ系、日系の人々が多く住んでいました。また、リンカーン・ハイツにはイタリア系の人々が多く住んでいました。これらの民族グループは、第二次世界大戦後に郊外へと移り住み、イーストロサンゼルスやボイルハイツはラテン系のスラム化が進みました。1950年頃には、この地域は少数のフィリピン系を除いて、ほとんどがメキシコ系住民で占められるようになりました。

民族間の緊張も高く、1943年にはズート・スーツの暴動が発生し、その暴力行為はイーストロサンゼルスでも見られました。

住民層の変化

その後、ヒスパニック系・ラテン系移民の2世や3世はイーストロサンゼルスを離れ、南カリフォルニア各地へ散っていきました。これらの世代は、経済的に成功するとともに、オレンジ郡やサンフェルナンドバレーといった郊外へと移住しました。一方で、メキシコや中米からの新たな移民はイーストロサンゼルスの低所得者層地域に住み着きました。1970年代以降、ヒスパニック・ラテン系の移民は、イーストロサンゼルスのほか、コンプトン、リンウッド、ワッツといった地域にも流入しました。これらの地域では、フィリピン系や中国系の流入も見られ、住民構成は複雑化しました。

ジェントリフィケーション

1990年代後半からは、イーストロサンゼルスの北部地域を中心にジェントリフィケーションが始まりました。イーグルロックには、非ラテン系白人の中流層・上位中流層が流入し、高級住宅地が形成されています。また、イーストロサンゼルスに隣接するロサンゼルス市北東部の地域でも地価が上昇しています。

地理

イーストロサンゼルスは、北緯34度1分53秒 西経118度10分7秒に位置し、ロサンゼルスのダウンタウンの東に隣接しています。総面積は19.3平方キロメートルで、全てが陸地であり、水域はありません。

人口統計（2006年推計）

• - 人口: 134,283人
• - 世帯数: 31,844世帯
• - 家族数: 27,068家族
• - 人口密度: 6,449.7人/km²
• - 住居数: 33,096軒
• - 住居密度: 1,613.7軒/km²

人種別構成

• - 白人: 0.15%（ヒスパニック系を除く）
• - アフリカ系アメリカ人: 0.20%
• - ネイティブアメリカン: 0.21%
• - アジア人: 0.28%
• - 太平洋諸島系: 0.06%
• - その他: 54.01%
• - 混血: 4.22%
• - ヒスパニック・ラテン系: 99.17%

年齢構成

• - 18歳未満: 34.6%
• - 18-24歳: 12.6%
• - 25-44歳: 30.7%
• - 45-64歳: 14.2%
• - 65歳以上: 7.9%
• - 年齢の中央値: 26歳

世帯と家族

• - 18歳未満の子供がいる世帯: 51.7%
• - 結婚・同居している夫婦世帯: 53.1%
• - 未婚・離婚・死別女性が世帯主の世帯: 21.7%
• - 非家族世帯: 16.0%
• - 単身世帯: 12.5%
• - 65歳以上の老人1人暮らし: 6.4%
• - 平均世帯人数: 4.15人
• - 平均家族人数: 4.42人

収入と家計

• - 世帯収入の中央値: 28,544米ドル
• - 家族収入の中央値: 29,755米ドル
• - 男性収入の中央値: 21,065米ドル
• - 女性収入の中央値: 18,475米ドル
• - 1人あたり収入: 9,543米ドル
• - 貧困線以下の割合（全人口）: 27.2%
• - 貧困線以下の割合（家族）: 24.7%
• - 貧困線以下の割合（18歳未満）: 35.0%
• - 貧困線以下の割合（65歳以上）: 13.5%

主な出身者

イーストロサンゼルスは、以下のような著名人を輩出しています。

• - テッド・バーマン - 映画監督
• - ハンプトン・ファンチャー - 脚本家
• - オスカー・デ・ラ・ホーヤ - ボクサー
• - レオナルド・ディカプリオ - 俳優（幼少期を過ごした）
• - セルヒオ・モラ - ボクサー
• - リッキー・ロメロ - 野球選手

関連情報

• - ロサンゼルス統一学区

外部リンク

• - PBS history of East Los Angeles
• - The Gangs of East Los
• - City-Data.com - East Los Angeles, California
• - East Los Angeles, CA（Yahoo!Map地図）

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