リトルダンサー (路面電車)

リトルダンサーシリーズの概要

リトルダンサーは、超低床型路面電車の愛称で、日本国内で開発された一連の車両を指します。1999年にアルナ工機が開発プロジェクトを始め、2001年から量産が開始されました。この名称には、「小さな踊り子」を意味する『Little Dancer』という可愛らしいイメージと、「床の段差が少ない」という特長が含まれています。

共通仕様と特徴

リトルダンサーシリーズは、シーメンス社のコンビーノシリーズや日本製のJTRAMなど、他の超低床車両とは異なり、従来型の軸付き車輪台車を採用しています。これにより、安定した走行性能を実現し、交通バリアフリー法や軌道法に準拠した設計がなされています。すべての部品が国産であるため、保守も容易です。

多彩なバリエーション

リトルダンサーには、さまざまなタイプが存在し、2022年時点で実に9つのバリエーションがあります。ここでは主なタイプの特徴を紹介します。

タイプS

タイプSは、ボギー車両の構造を持つ単車体形式で、客室部分の低床化を図った設計です。定員は少ないものの、在来車両の機器を用いて製造できる点が魅力です。伊予鉄道や札幌市電で実績があり、2007年には改良型のモハ5000形電車も導入されました。

タイプL

タイプLは、とさでん交通、福井鉄道、熊本市交通局によって導入されており、長い車体が特徴です。このタイプはより多くの乗客を収容できるため、実用性が高いです。2020年代には「タイプnew-L」としてマイナーチェンジがなされています。

タイプA3

このタイプは、日本初の国産超低床電車で、鹿児島市交通局により採用されました。関節形の3車体2台車型で、特に低床な設計が特徴です。

タイプU

リトルダンサーシリーズの集大成とも言えるのがタイプUです。このタイプは、車軸付き動力台車部の低床化を実現した100%低床車で、長崎電気軌道が採用しています。

タイプUa

タイプUaは、シリーズで最も多く導入され、高いバリアフリー仕様を備えています。各都道府県の事業者からも支持されています。

タイプN

タイプNは、全低床化されたボギー式の車両で、2022年に長崎電気軌道で営業運転を開始しました。

まとめ

リトルダンサーシリーズは、その多様性と実用性から日本における路面電車の運用において重要な役割を果たしています。各地域のニーズに応じた設計が施されており、今後も発展が期待されます。

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