リトル・ミルトン

リトル・ミルトン（Little Milton）

リトル・ミルトン（本名: ジェイムズ・ミルトン・キャンベル・ジュニア）は、1934年9月7日、ミシシッピ州インヴァネスに生まれたブルースシンガーであり、ギタリストです。彼は、R&Bチャートで1位を記録したヒットソング「We're Gonna Make It」で広く知られています。そのほかにも、「Baby I Love You」や「Who's Cheating Who?」、「Grits Ain't Groceries (All Around the World)」といった人気曲を持つアーティストです。

生い立ちと音楽キャリアの初期

ミルトンは、ミシシッピ州のグリーヴィルで農民と地元のブルースミュージシャンに囲まれて育ちました。12歳の時には、T-ボーン・ウォーカーや当時の他のブルース、ロックンロールアーティストに触発され、ストリートミュージシャンとして活動を開始しました。1950年代初頭には、リズム・エイセズというグループに参加し、エディー・キュージックからギターの指導を受けました。

1951年にはトランペット・レコードでウィリー・ラヴのバッキングを行い、いくつかの曲をレコーディングしました。しかし、十分に成功を収められず1955年にサン・レーベルを去ることになります。この後、彼はモダン・レコードの傘下にあるミーティア・レコードにシングルをリリースしました。

1958年にイーストセントルイスに移住したミルトンは地元のレコード会社ボビン・レコードを設立し、レナード・チェスのチェス・レコードと配給契約を結びました。この時期、彼はアルバート・キングやフォンテラ・バスといったアーティストの成功を支えており、1962年のシングル「So Mean to Me」はビルボードのR&Bチャートで14位に達しました。

ヒット曲とアルバム

1965年、彼は音楽活動を再開し、B.B.キングを彷彿とさせるスタイルを確立しました。最初のヒットシングルとなった「We're Gonna Make It」はR&Bチャート1位を獲得し、その後の「Who's Cheating Who?」も4位にランクインしました。これらの曲は彼のアルバム『We're Gonna Make It』に収録されています。

彼の楽曲「Let Me Down Easy」は、スペンサー・デイヴィス・グループにカバーされましたが、ソングライターとしてのクレジットは商業録音では与えられませんでした。1969年には、久しぶりにアルバム『Grits Ain't Groceries』をリリースし、その中には「Just a Little Bit」や「Baby, I Love You」などが収録されました。レナード・チェスの死によってレコード会社は不安定化し、ミルトンはその後スタックス・レコードに移籍します。

スタックスでは、複雑なオーケストレーションが施された「That's What Love Will Make You Do」やライヴアルバムの「What It Is」でヒットを狙いました。1973年に公開された映画『ワッツタックス/スタックス・コンサート|ワッツタックス_スタックス・コンサート』にも出演するなど活躍しましたが、その後会社が赤字経営となり、1975年には倒産に追い込まれます。

後期のキャリア

スタックスを去ったミルトンは、その後のキャリアで多くの困難に直面します。エヴィデンスとの契約を経て、MCA傘下のモービル・フィデリティ・レコードに移籍。そして最終的にはマラコ・レコードに落ち着き、1999年の『Welcome To Little Milton』で二度目のグラミー賞ノミネートを果たしました。

彼は1983年に「Age Ain't Nothin' But a Number」をリリースし、これが最後のヒットシングルとなりました。1988年にはブルースの殿堂入りを果たし、W.C.ハンディ・アワードも獲得しています。ミルトンの最終アルバム『Think of Me』は2005年5月にリリースされ、彼自身の音楽キャリアの集大成ともなりました。

死去と遺産

リトル・ミルトンは2005年8月4日に脳卒中後の合併症により亡くなりました。享年70歳でした。彼の死後、故郷インヴァネスには彼を讃える標識が建てられ、ブルース音楽における重要な人物としての地位を特に高めています。彼の音楽は今なお多くの人々に聴かれ、愛されています。

もう一度検索