リバティ (デュラン・デュランのアルバム)

アルバム『リバティ』の詳細

『リバティ』（Liberty）は、イギリスのロックバンドであるデュラン・デュランが1990年にリリースした6作目のスタジオアルバムです。本作は、デュラン・デュランの音楽スタイルの変遷を示す重要な作品であり、新たなメンバーが加わったことで音楽に新しい風を吹き込む役割を果たしました。

背景

1986年からサポートギタリストとして活動していたウォーレン・ククルロが正式メンバーとして加入し、さらにシンディ・ローパーのツアードラマーを務めていたスターリング・キャンベルもメンバーとして迎え入れられました。しかし、キャンベルはこのアルバムを最後にバンドを離れることになりました。また、本作のプロデューサーには、過去にマリリオンやローリング・ストーンズのアルバムを手掛けたクリス・キムゼイが起用されています。

本アルバムのリリースに際しては全メンバーが日本を訪れプロモーションを行いましたが、専用のプロモーションツアーは行われていませんでした。

反響

全英アルバムチャートで4週間トップ100入りし、最高8位を獲得するなど、商業的には一定の成果を収めました。ただし、本作からのシングル「夏のヴァイオレンス」は全英シングルチャートで20位、続く「シリアス」は48位にとどまっており、アメリカのBillboard 200では46位に達したものの、デュラン・デュランとして初めて全米トップ40入りを逃す結果となりました。特にニュージーランドでは、デュラン・デュランのスタジオアルバムが初めてトップ50圏外に入るという結果となり、その人気の低下が伺えました。

評価・影響

アルバムに対する評価は分かれています。音楽評論家のStephen Thomas Erlewineはオールミュージックにて、作品に多くのスタイルが混在しているものの、優れた楽曲が不足しているとしました。他の批評家であるDavid Medskerは、楽曲の焦点が定まっていないと指摘しつつも、「シリアス」に対しては彼らの評価されていない楽曲であるとし、バラード「マイ・アンタークティカ」にも良い評価を与えています。

オランダのDJフェリー・コーステンも、2006年に発表したシングル「Fire」で本作の「シリアス」を引用するなど、影響を与える側面も見受けられます。

収録曲

アルバムには以下の楽曲が収録されています：

- 夏のヴァイオレンス – "Violence of Summer (Love's Taking Over)" – 4:22
- リバティ – "Liberty" – 5:01
- ホットヘッド – "Hothead" – 3:31
- シリアス – "Serious" – 4:21
- オール・アロング・ザ・ウォーター – "All Along the Water" – 3:51
- マイ・アンタークティカ – "My Antarctica" – 5:01
- ファースト・インプレッション – "First Impression" – 5:29
- リード・マイ・リップス – "Read My Lips" – 4:30
- キャン・ユー・ディール・ウィズ・イット – "Can You Deal with It" – 3:47
- ヴェニスの愛 – "Venice Drowning" – 5:13
- ダウンタウン – "Downtown" – 5:22

参加ミュージシャン

本アルバムには、以下のメンバーが参加しています：

- サイモン・ル・ボン – ボーカル
- ニック・ローズ – キーボード
- ジョン・テイラー – ベース
- ウォーレン・ククルロ – ギター
- スターリング・キャンベル – ドラムス

加えて、サクソフォーンにはスタン・ハリスン、トランペットにはロディ・ロリマー、パーカッションにはルイス・ジャーディムが参加しています。また、バックボーカルにはテッサ・ナイルズ、キャロル・ケニオン、バーナード・ファウラーの名前が挙げられています。

このようにして、アルバム『リバティ』はデュラン・デュランの音楽的展開やメンバーの加入といった興味深い要素を持つ作品となっています。

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