リバティ大学

リバティ大学：信仰と学問の融合を目指す大規模キリスト教大学

リバティ大学は、アメリカ合衆国バージニア州リンチバーグに位置する、キリスト教福音主義の私立大学です。その規模は、キリスト教福音主義の大学として世界最大級であり、多様な学問分野と充実したキャンパス施設が特徴です。ここでは、リバティ大学の歴史、キャンパス、教育、学生生活、そして政治との関わりについて詳しく解説します。

歴史：創設から現在まで

リバティ大学は、1971年にジェリー・ファルエル牧師らによってリンチバーグ・バプテスト・カレッジとして創設されました。その後、1985年に現在のリバティ大学へと改名されました。大学名変更の背景には、地名であるリンチバーグがリンチ（私刑）を連想させるため、誤解を避ける意図がありました。

創設当初から多額の寄付金を集め、潤沢な経済力を誇っていましたが、1990年代には多額の負債を抱え、南部大学協会から警告を受ける事態となりました。しかし、その後財政状況は改善し、2017年時点では寄付金10億ドル、総資産20億ドルを超えるまでに成長しました。

1985年からは通信教育課程を開始し、現在のオンラインコースへと発展しました。高速インターネットの普及に伴い、2005年頃からオンラインコースの提供を本格化させ、現在では多くの学生がオンラインで学んでいます。

キャンパス：充実した施設

リバティ大学のキャンパスには、教育施設だけでなく、学生生活を豊かにするための様々な施設が整っています。

フリーダムタワー：2018年に完成した17階建てのタワーは、リンチバーグ市内で最も高い建物であり、カリヨンが設置されています。
リバティ人工スキー場：初心者から上級者まで楽しめるスキー場がキャンパス内にあります。
天文台：研究用の大型望遠鏡を備えた天文台は、授業や研究だけでなく、一般市民にも公開されています。
射撃練習場：学生が銃乱射事件に遭遇した際に自衛できるように、射撃練習場が建設されました。
ジェリー・ファルエル図書館：自動書庫システムを備えた図書館には、豊富な蔵書だけでなく、グループ学習室や屋上庭園なども設置されています。
全米南北戦争チャプレン博物館：南北戦争におけるチャプレンの役割や活動に関する史料を展示する博物館です。
カーター・グラス邸：連邦上院議員の旧邸宅は、現在は大学の事務局として使用されています。

教育：多様なプログラム

リバティ大学は、人文科学、医学、法学、神学、航空学、ビジネスなど、17の学部・大学院で550以上のプログラムを提供しています。特に、以下の分野に力を入れています。

人文・科学：準学士課程から博士課程まで、幅広いプログラムを提供しています。
オステオパシー医療：オステオパシー医療に関する専門的な教育を提供しています。
政治：刑事裁判、政治学、公共政策、国際関係などを学ぶことができます。
神学：多様な神学のコースを提供し、オンラインコースも展開しています。
航空学：パイロットや無人航空機操縦に関する専門的な知識と技術を学ぶことができます。

学生生活：倫理規定と集会

リバティ大学では、学生生活において「リバティ・ウェイ」と呼ばれる倫理規定（Honor Code）が重視されています。この規定には、婚前交渉の禁止などが含まれており、学生は倫理的な行動を求められます。

また、リバティ大学の集会は、アメリカにおけるクリスチャン学生界では最大の週次集会であり、多くの著名人がスピーカーとして招かれています。寮生活を送る学生は、定期的にこの集会に参加することが義務付けられています。

政治との関わり：保守的な立場

リバティ大学は、保守的なキリスト教のオリエンテーションを持っており、「宗教右派の牙城」と呼ばれることもあります。そのため、共和党に対して重要な役割を担っており、多くの共和党の政治家が大学を訪問し、講演を行っています。

まとめ

リバティ大学は、キリスト教信仰に基づいた教育を提供し、学生の倫理的な成長を促すことを目指しています。広大なキャンパスには充実した施設が整い、多様な学問分野で専門的な知識とスキルを習得することができます。保守的な立場から政治とも深く関わっており、アメリカ社会に大きな影響を与えている大学と言えるでしょう。

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