リバルタ反応

リバルタ反応とは

リバルタ反応は、腹水や胸水などの体腔内に貯留された液体が滲出液であるか漏出液であるかを判定するための検査法です。この検査は、注射針で穿刺した液体を希酢酸に滴下し、液体の変化を観察することで行われます。リバルタ反応が陽性の場合、白濁した雲状の物質が迅速に形成され、20cm以上の距離で次第に下降します。一方、陰性の場合は薄い白雲が生成され、時間と共に消えていく特性があります。

検査の目的

この検査の主な目的は、体内で貯まった液体の原因を診断することにあります。滲出液とは、局所の病変や炎症、悪性腫瘍などにより発生する液体を指します。一方で、漏出液は心不全や肝硬変などの全身疾患に起因します。診断と治療には、これら二つの液体の鑑別が非常に重要です。

検査方法と判定基準

実施する際は、まず水200mLに酢酸を3、4滴加えた希酢酸液を用意します。この液体に胸水や腹水などの穿刺液を少量垂らし、白濁の形成とその下がり具合を観察します。滲出液の場合は、濃い白雲が迅速に形成されるため、その特徴をもって陽性と判断され、漏出液の場合は薄い白雲が時間が経つにつれ消えていくため、陰性と見なされます。

検査の利点と制約

リバルタ反応は、特別な機器や薬品を必要とせず、安価で簡便に実施可能なため、医療現場で広く用いられてきました。しかし、この検査にはいくつかの課題があります。手技が標準化されていないため、観察者の主観に影響されやすく、真の陽性・陰性が難しい事例があります。これにより、明確な区別ができない場合もあるため、他の検査結果と併せて総合的に判断する必要があります。

原理と関連要因

リバルタ反応の詳細な原理は解明されていませんが、検体の蛋白濃度が高ければ高いほど反応が陽性になりやすい傾向があります。具体的には、蛋白量が3%以下では陰性となり、4%以上で陽性とされています。しかし、この見解には異論も存在します。さらに、炎症に関連するヒアルロン酸などの酸性多糖体も反応に寄与していると考えられています。この反応に関与する成分としては、C反応性蛋白やα1-アンチトリプシン、フィブリノーゲン、などがあります。これらは急性相反応物質であり、リバルタ反応陽性は炎症の存在を示すとも言われています。

歴史的背景

リバルタ反応は1895年にイタリアの医師ファビオ・リバルタによって発表されました。その後、リバルタ反応は簡便さから広く用いられましたが、近年では客観性の欠如から生化学的検査が主流となりました。これにより、人間ではあまり用いられなくなっています。

獣医学での利用

現在、リバルタ反応は主に獣医学において使用され、特に猫の伝染性腹膜炎（FIP）の診断補助に役立っています。腹水や胸水を持つ猫の中で、約半数はこの病気であり、リバルタ反応の陽性率は86%、陰性率は96%とされています。ただし、他の疾患によっても陽性になることがあるため、単独での確定診断には注意が必要です。

脚注

リバルタ反応の詳細や関連情報は、医療・獣医学関連の文献やウェブサイトを参照してください。

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