リビア王国

リビア王国の概要

リビア王国（المملكة الليبية‎、ラテン文字転写: al-Mamlakah al-Lībiyyah）は、1951年に正式に独立し、1969年まで存続していた国家です。その時期には、国王イドリース1世が上に立ち、リビアは当初連邦制を取り、国名はリビア連合王国として知られていました。

歴史的背景

リビアは16世紀からオスマン帝国の支配を受け、1911年にはイタリアの植民地となりました。この間、国内ではさまざまな抵抗運動が行われ、多くの血が流れる戦闘も発生しました。特に第二次世界大戦中の北アフリカ戦線では、連合国と枢軸国の間で激しい戦闘が繰り広げられました。

戦後、リビアはイギリスとフランスによる共同統治下に置かれましたが、1949年にはキレナイカが独立を宣言しました。この成果はその後の統一交渉へとつながり、1951年5月には国連の決議に基づいてリビア連合王国として独立が果たされました。群れをなすように3つの州、トリポリタニア、キレナイカ、フェザーンが連合していたのが特徴でした。

政治と経済

国王イドリース1世は親欧米的な政策を取り、リビアの資源、特に石油産業を活用して国家の財政を潤す努力をしました。しかし、このオイルマネーは王家やその周囲の特権階級によって吸収され、一般市民には行き渡りませんでした。国の中における地域対立も激化し、これが内政の不安定さを引き起こしました。

1956年にエジプトで起きた第二次中東戦争の影響で、リビア国内における反欧米感情が高まり、民衆の国王に対する不満も徐々に募っていきました。1963年には連邦制が廃止され、国名もリビア王国に改められることになりました。この際、中央政府の権限が強化され、国民間の不平等解消へ向けた取り組みも行われましたが、これらの改革は遅すぎたとも言えます。

王政の崩壊と新たな体制

1969年の9月1日、国王イドリース1世がトルコへ療養中に、ムアンマル・アル＝カッザーフィー率いる若手将校たちによるクーデターが発生しました。この事件により、国王は追放され、王政は正式に廃止されました。このクーデターによって設立された革命評議会は、カッザーフィーを議長とする最高統治機関として機能し、国名もリビア・アラブ共和国と改められました。

リビア王国の存在は、短期間に多くのかかわりを持ち、複雑な歴史を経て変化していくことを示しています。王国体制から共和国へと移行する過程で、リビアの社会構造や政治情勢も大きく変わりました。

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