リファレンスポイント

リファレンスポイント：英国競馬史に輝く名馬

1984年2月26日生まれのサラブレッド競走馬、リファレンスポイント。その短い競走生活は、鮮烈な輝きを放ち、英国競馬史にその名を刻みました。1986年8月から1987年10月までのわずか1年余りの間に、10戦7勝という驚異的な成績を残したのです。

華麗なる3歳シーズン

特に1987年、3歳シーズンはリファレンスポイントの全盛期でした。名門ヨーク競馬場のダンテステークスを制覇すると、続くエプソムダービーでは1番人気に応え、見事優勝。1936年のマームード以来となる好タイムを記録しました。さらに、アスコット競馬場のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、グレートヴォルティジュールステークス、そしてセントレジャーステークスと、英国の主要競走を次々と制覇していったのです。特にダービーとセントレジャーステークスの両方を制した馬は、2012年のキャメロットまで存在しませんでした。これはリファレンスポイントの卓越した能力の高さを示す、一つの証左と言えるでしょう。

しかし、凱旋門賞では8着と敗れ、その短い競走生活に幕を閉じました。左前脚の蹄に腫瘍が見つかり、引退を余儀なくされたのです。

輝かしいキャリアの軌跡

リファレンスポイントの父は1971年のエプソムダービー優勝馬ミルリーフ、母は1981年のサンチャリオットステークス優勝馬ホームオンザレンジというサラブレッド界の名門の血を受け継いでいました。2歳時代は3戦して2勝。G1ウィリアムヒルフューチャリティステークスでの勝利は、当時欧州最高の2歳馬としての評価を獲得することにつながりました。

3歳になり、副鼻腔炎の手術を乗り越え、ダンテステークスから復活。その後はダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、グレートヴォルティジュールステークス、セントレジャーステークスと主要競走を次々と制覇。セントレジャーステークス勝利後には、英国で走った馬の獲得賞金総額史上1位に輝きました。

評価とその後

リファレンスポイントはタイムフォームレーティングで139という高い評価を受けました。これは当時のトップクラスの評価であり、ニジンスキー、アレッジド、トロイといった名馬を上回るものでした。ジョン・ランドールとトニー・モリスは、著書「チャンピオンの世紀」の中で、20世紀で36番目に優れた英国馬、そして80年代最高のダービー優勝馬として評価しました。また、BBCのスポーツ特派員リー・マッケンジーは、近年のダービー優勝馬ベスト6の一頭としてリファレンスポイントを挙げ、その「職人技」とも言うべきレーススタイルを評価しました。1987年の英国年度代表馬にも選出されています。

種牡馬としては、期待されたほどの活躍はできませんでしたが、イヴィアンナ(イタリアオークス優勝)など、優れた産駒を残しました。1991年12月、種牡馬として活躍していた最中に事故で死亡。その短い生涯は、多くの競馬ファンに惜しまれつつ幕を閉じました。しかし、その輝かしい戦績と、類まれな能力は、永遠に英国競馬史に刻まれることでしょう。

血統表

(血統表は省略)

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