リベログランデ

「リベログランデ」（Liberogrande）は、かつてナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）が手掛けた、ユニークな視点を持つサッカーゲームシリーズです。従来のサッカーゲームの多くが俯瞰視点や三人称視点であったのに対し、本作はプレイヤー自身が操作するフィールド上のたった一人の選手の目線で試合を体験するという、当時としては画期的な「一人称視点」を採用した点が最大の特徴として挙げられます。

シリーズ第一作

シリーズの幕開けとなった初代『リベログランデ』は、1997年12月にアーケードゲームとして登場しました。ナムコ独自のSYSTEM12基板を使用し、その後の1998年 11月26日にはPlayStation（PS）向けに移植版が発売されています。

ゲームシステムの中核を成すのは、操作する選手がフィールドにいるただ一人の選手であるという点です。プレイヤーは選んだ選手を自由に動かし、パスやシュート、ドリブルといったアクションを、その選手の視点から行うことになります。この没入感の高いプレイフィールは、他のサッカーゲームにはない独特の体験を提供しました。

出場チームとしては、世界の32ヶ国からナショナルチームが収録されています（オセアニア地域は含まれていません）。各チームには独自のフォーメーションが設定されていました。さらに、実在の有名選手をモデルとしつつも、外見や能力が大幅にデフォルメされ、個性的な能力を持つ10人の架空選手も登場し、選択してプレイすることが可能でした。架空選手には、スピード、キック力、スキルといった異なる能力傾向があり、例えば身長222cm、体重115kgと巨漢ながら最高レベルのキック力を持つアーノルド・ラングや、身長165cmと小柄ながら高いスピードとスキルを持つ箕輪快（Minoru Kai）などが存在しました。

出場国は、ヨーロッパ、アフリカ、北中米カリブ海、南米、アジアといった各大陸から選ばれており、アーケード版ではヨーロッパからイングランド、フランス、イタリア、ドイツなど15ヶ国、アフリカからカメルーン、ナイジェリア、南米からブラジル、アルゼンチンなど6ヶ国、アジアから日本、韓国、台湾など6ヶ国、北中米カリブ海からアメリカ、カナダ、メキシコなど3ヶ国が登場しました。

リベログランデ2

シリーズ第2作となる『リベログランデ2』は、PlayStationのオリジナルタイトルとして2000年 9月7日に発売されました。前作とは異なり、アーケード版はリリースされていません。

本作では、選択可能なナショナルチームに加えてU-23日本代表チームが登場し、総勢700人以上の選手の中から操作選手を選ぶことができるようになりました。特に大きな進化として、前作では操作できなかったゴールキーパー（GK）も選択・操作できるようになった点が挙げられます。これにより、様々なポジションでの一人称視点プレイが可能となりました。

登場選手は、日本代表およびU-23日本代表選手は実名で登場しましたが、その他の多くの選手は前作と同様に実在選手をモデルとした架空の選手でした。しかし、選手のデータや外見のリアリティは前作に比べて大きく向上しています。実況はフリーアナウンサーの倉敷保雄氏、解説は元サッカー選手の風間八宏氏が担当し、試合の臨場感を高めました。

出場国リストも更新され、前作からの国に加え、ヨーロッパからはスコットランド、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア、ユーゴスラビア、ロシア、ウクライナなどが追加されました。

リベログランデ