リューリク・ロスチスラヴィチ (ペレムィシュリ公)

リューリク・ロスチスラヴィチ（生年不詳 - 1092年）は、トムタラカニ公ロスチスラフ・ウラジーミロヴィチの息子であり、ヴォロダリ・ヴァシリコの兄にあたります。彼はペレムィシュリ公として1084年から1092年まで統治しました。

生涯

父ロスチスラフがトムタラカニで亡くなると、母はハンガリーへ去り、リューリク兄弟はルーシに残されました。領土と継承権を失ったリューリクは、兄弟と共にヴォルィーニ公ヤロポルクのもとに身を寄せます。

1084年、ヤロポルクが不在の隙を突いて、リューリク兄弟はチェルヴェンの諸都市へ向かい軍を集め、ヴォルィーニへ帰還してウラジーミル・ヴォリンスキーを占領しました。これに対し、キエフ大公フセヴォロドはヤロポルクのために、ウラジーミル・モノマフを長とする軍を派遣しました。

その後、フセヴォロドとヤロポルクは対立。フセヴォロドは、ドニエプル川下流のオレシエを襲撃していたイズゴイ公ダヴィドに、ヴォルィーニの都市ドロゴブージュを与えます。ヤロポルクはポーランドへ逃亡、モノマフはルーツクを占領しました。1084年、リューリク兄弟はヴォルィーニを与えられ分割統治し、リューリクはペレムィシュリ公となりました。

1087年に和平条約が締結され、ヤロポルクがヴォルィーニを取り戻しますが、同年、ズヴェニゴロドへの遠征中に殺害されます。ヤロポルク殺害の指示者は不明です。殺人犯がリューリクの領地ペレムィシュリへ逃走したことから、リューリクが黒幕であるという推測も成り立ちますが、リューリクが直接的な利益を得ていないという指摘もあります。

1092年、リューリクは子を残さず死去。領地は弟のヴァシリコとヴォロダリが相続し、彼らの領有権は1097年のリューベチ諸公会議で承認されました。

参考文献

* 國本哲男他訳 『ロシア原初年代記』 名古屋大学出版会、1987年.

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