百合が原公園

百合が原公園について

百合が原公園は、札幌市北区に位置する広大な公園で、一部は東区にも跨っています。札幌市の中心部から北東へ約8kmの場所にあり、アクセスも比較的容易です。公園内には約6,400種類もの植物が栽培されており、そのうち耐寒性植物は約3,500種類にも及びます。特にユリの栽培に力を入れており、その種類は約100種にもなります。また、600種類以上の高山植物や極地植物が育成されているのも特徴です。

コレクションとしては、バラ属、ライラック、ギボウシ属などが充実しています。温室では、約250種類のツバキ、約100種類のアザレア、フクシア、ゼラニウムなど、約1,500種類の植物が栽培されています。公園では、生物多様性を維持しながら、快適な環境と園芸植物の栽培を両立させる持続可能な公園管理を目指しています。植物の廃材をリサイクルして堆肥やウッドチップを製造し、園内で利用する取り組みは、札幌市内最大級の植物リサイクル施設として注目されています。さらに、市民ボランティアによる活動も活発に行われています。

歴史

百合が原公園の歴史は、1978年（昭和53年）の昭和天皇御在位50周年記念事業として採択されたことから始まりました。1979年（昭和54年）には、北海道大学農学部の基本構想に基づき、記念広場（現在の世界の百合広場）の造成が開始されました。1981年（昭和56年）に管理事務所が完成し、1983年（昭和58年）には公園名が「東北公園」から「百合が原公園」に改称され、一般に供用が開始されました。

1986年（昭和61年）には、第4回全国都市緑化フェア『'86さっぽろ花と緑の博覧会』が開催され、温室、世界の庭園、リリートレインが設置されました。その後も、1987年（昭和62年）に都市緑化植物園（ロックガーデン）が完成、1988年（昭和63年）にはムスカリの道が造成されました。1990年代には、北区ハルニレの森の造成、落ち葉の堆肥化開始、ライラックコレクションやローズウォークの造成など、様々な整備が進められました。2002年（平成14年）には、『第18回都市公園コンクール』管理運営部門で日本公園緑地協会会長賞を受賞しました。2012年（平成24年）からはガイドボランティア活動も開始され、公園の魅力を伝える役割を担っています。

施設

公園内には、百合が原緑のセンターを中心に、様々な施設があります。

百合が原緑のセンター：温室（大・中・小）、総合受付、緑の相談コーナー、図書コーナーが設けられています。
世界の庭園：日本庭園と札幌市の姉妹都市を代表する庭園で構成されています。日本庭園（札幌市）、瀋芳園（瀋陽市）、ムンヒェナーガルテン（ミュンヘン市）、ポートランドガーデン（ポートランド市）があります。
リリートレイン：公園内を走る列車です。
パークゴルフ場・ゲートボール場：スポーツを楽しむことができます。
レストラン百合が原：食事や休憩ができます。
ガーデンショップ：園芸用品や植物を購入できます。
歩くスキーコース：冬季限定で、周長約1.8kmのコースが利用できます。

花壇と特徴的なエリア

世界の百合広場：約100種類の世界のユリが植栽されており、藤棚のフジなど多彩な花木も楽しめます。
世界の庭園：あじさい園、ボーダーガーデン、「ヒマラヤの青いケシ」などが見られます。
札幌市緑化植物園：百合が原緑のセンター温室では、1年を通して様々な草花や花木が展示され、展示会や講習会も行われています。
ロックガーデン・ヒースガーデン：約600種類の高山植物や極地植物を観察でき、エリカやカルーナを中心とした矮性花木の花壇もあります。
ローズウォーク：オールドローズやイングリッシュローズが咲く散歩道です。シトカトウヒの大きな切り株も設置されています。
ライラックコレクション：約50種類のライラックが植栽され、ライラックウォークは公園西側に面した約650mの並木道です。
ビーチヘッジ：セイヨウブナの生垣です。
ムスカリの道：ムスカリの中にチューリップが配された美しいエリアです。
花木園：サクラ、ツツジ、ライラック、アジサイが咲き競い、宿根草のボーダーガーデンが作られています。
* その他：かおりの庭（ハーブや宿根草）、宿根草園、ダリア園、バラ花壇、芝生広場など、多様な植物が楽しめます。

百合が原公園は、植物の多様性と美しさを堪能できるだけでなく、市民の憩いの場として、また植物のリサイクルなど持続可能な取り組みを行う公園として、重要な役割を果たしています。

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