リンクス 自走ロケットランチャー

リンクス自走ロケットランチャー

リンクス（LYNX Self-propelled rocket launcher）は、イスラエルのIMIシステムズによって設計された先進的な自走ロケット砲システムです。この装備は、戦術的な地上攻撃を支援するため、装輪式の発射機を採用しており、顧客のニーズに応じて多彩なトラック車両に搭載することが可能です。

システムの特長

リンクスは、6輪または8輪のトラックに取り付けられるロケット発射機です。この発射システムには、射撃管制装置、C4Iシステム、GPSおよびINS誘導システムが統合されており、高度な自動化を実現しています。発射器は、122mmから370mmの異なるサイズの多連装ロケットを装填することができ、迅速な10分以内での再装填が可能という特徴を持っています。

発射可能なロケット砲

リンクスは、IMIによって設計されたさまざまなタイプのロケット弾を発射できます。代表的な弾薬として以下のものがあります：

GRADLAR

このシステムは、1960年代にソビエトで開発されたBM-21「GRAD」を改良したもので、射程は20〜40km、20kgの弾頭を搭載可能です。実際の発射器は、元の40連装タイプをそのまま使用できます。

LAR-160

1970年代にIMIが開発した160mm無誘導ロケット砲です。最大射程は45kmで、弾頭重量は20kg、26連装発射器を使用します。

ACCULAR

このロケット弾は、標準的なロケットでは着弾精度が不足していたため、1980年代に開発されたシステムです。GPS、GLONASS、INSによる精密誘導機能を備えており、目標地点に対して±10mの精度で弾着可能です。ACCULARは、LAR-160に対応する「ACCULAR-160」と、GRADLARに対応する「ACCULAR-122」があります。

EXTRA

306mmの精密誘導ロケット弾で、射程30〜150km、弾頭は120kgです。8連装発射器を通じて発射され、同様のGPS誘導機能を持っています。

プレデターホーク

370mmの精密誘導ロケット弾で、最大射程は300km、弾頭重量は140kgです。4連装の発射器で運用され、精密誘導機能も搭載されています。

運用国

リンクスの利用国は多岐にわたり、アゼルバイジャンでは2024年時点で16両、カザフスタンでは18両、モロッコ陸軍では12両のリンクスが運用されています。これらの国々では、兵力の強化を図る重要な要素となっています。

まとめ

リンクス自走ロケットランチャーは、その高い自動化と多彩な発射可能ロケットの特性により、現代戦における重要な火力支援手段として位置づけられています。クリックひとつで様々な弾薬を発車できるこのシステムは、軍事面でのさまざまな要求に応えるため、引き続き進化を続けていくことが予想されます。

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