LAR-160

LAR-160 多連装ロケット砲

LAR-160（light artillery rocket 160mm caliber、略称LAR）は、イスラエルのIMI社が1970年代に開発した多連装ロケット砲です。この武器は、特にその射程が特徴で、12kmから最大45kmまで発射可能です。

発射システム

LAR-160は、通常、13基のロケットが取り付けられた発射ポッドコンテナ（LPC）を2つ束ねた構成になっています。さらに、18基のロケットを束ねた別のバージョンも開発されています。これにより、広範囲をカバーし、迅速に多くのロケットを発射する能力が備わっています。LAR-160はIMIが開発した装輪式自走ロケットランチャー「リンクス」にも装備され、また軽量なモデルはヘリコプターやハンヴィーによって牽引されることも可能です。

発射性能

LAR-160は26発のロケット弾を60秒以内に全て発射することができ、発射後5分以内に15トンのクレーンを備えたトラックから再装填が可能です。この迅速な連射能力が、このロケット砲の重要な特長の一つです。

開発の歴史

このロケット砲は1970年代にイスラエル・ミリタリー・インダストリーズにより開発され、1983年にイスラエル国防軍で採用されました。その後も改良が行われ、Mk.I、Mk.II、Mk.IVといった異なるバリエーションが登場しています。

各モデルの詳細

• - Mk.I: これは固形燃料を使用し、射程30kmで重さは100kgです。その弾頭は40kgの破片効果榴弾（HE-COFRAM）を含みます。ベネズエラ陸軍が最初に装備しました。
• - Mk.II: 射程は30kmで、重量は110kgです。弾頭にはHE-COFRAMか、または104個のクラスター爆弾子弾を搭載可能で、遠隔設定の電気信管で目標上空で爆発させます。
• - Mk.IV: 射程が45kmまで引き上げられ、推進剤も改良されています。

特殊バリエーション

LAR-160には、いくつかの特殊バリエーションも存在します。

• - NAVLAR: この海軍用モデルでは、海軍の特性に合わせたアプリケーションが詰まっています。
• - GRADLAR: 他の122mm多連装ロケット砲をLAR-160の技術を用いて経済的にアップグレードするために開発されたパッケージです。
• - ACCULAR: INS/GPS誘導装置を用いた精密誘導システムで、LAR-160およびGRADLARの弾薬に適用されています。

採用国

LAR-160は多くの国で採用されています。主な国は以下の通りです:

• - アルゼンチン: 10基
• - アゼルバイジャン: 30基
• - ジョージア: 32基（2024年時点で6基のGRADLARを保有）
• - イスラエル: 50基（ACCULAR-160として採用）
• - カザフスタン
• - ルーマニア: LAROMから発射する160mmロケット弾としてMk.IVを採用
• - ベネズエラ: 20基
• - チリ: 12基

このように、LAR-160はその性能とバリエーションにより、国防や軍事において重要な役割を果たしています。

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