リンリン・ランラン

リンリン・ランランは、香港で誕生した一卵性双生児の姉妹、リンリンとランランによって結成されたポップデュオです。1959年1月3日生まれの彼女たちは、アメリカ人の父と中国人の母を持つハーフとして育ちました。日本での活動に際しては、サンミュージックプロダクションに所属し、ビクター音楽産業（現：ビクターエンタテインメント）からレコードをリリースしました。

キャリアの始まりと日本での成功

日本での本格的な活動を開始する以前、姉妹は1972年から香港で「樂家姊妹（ザ・ロッカー・シスターズ）」として活動していました。その後、日本へ渡り、岡山県にあったオフィス星野にて、ダンスや日本語のレッスンを受けました。この経験が後の日本での成功の礎となります。

サンミュージックプロダクションへの紹介を経て、1974年に日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』にアシスタントとして出演。これを機に日本での正式なデビューを果たしました。

彼女たちの日本でのキャリアにおいて、最も知られているのがデビュー曲「恋のインディアン人形」です。この楽曲は最大のヒット曲となり、リンリン・ランランの代名詞となりました。当時の彼女たちは、ロングのお下げ髪にインディアンを思わせる特徴的な衣装を着用しており、そのエキゾチックな容姿とアジア系の雰囲気から、日本の聴衆に強い印象を与えました。そのビジュアルがあまりにも個性的であったため、時には日本の先住民族であるかのような誤解を生むこともあったと言われています。

「恋のインディアン人形」以外にも、「陽気な恋のキューピッド」や「恋のパッコンNO.1」といったヒット曲を世に送り出し、日本の歌謡シーンで人気を博しました。

多方面での活躍と活動の変遷

音楽活動にとどまらず、テレビ番組でも活躍を見せました。デビューのきっかけとなった『スター誕生!』のアシスタントを務めたほか、TBS系の『時間ですよ・昭和元年』にゲスト出演、NHK総合の『ハテナゲーム』ではレギュラーとして出演するなど、お茶の間でも親しまれる存在となりました。また、人気絶頂期には、当時東京・芝公園（現在の御成門駅付近）にあった中華料理店「留園」のCMに出演し、「リンリンランラン留園…」というキャッチーなCMソングを歌ったことも、多くの人々の記憶に残っています。

日本での芸能活動が一段落した後、姉妹は再び香港へと拠点を移しました。香港では、桜田淳子や岩崎宏美といった当時の日本の人気アイドルたちの楽曲を広東語でカバーし、レコードをリリースするなど、音楽活動を続けました。日本でおなじみだったお下げ髪スタイルも、香港での活動中もしばらくは維持していたようです。

芸能界から引退した後は、アメリカ合衆国に移住し、静かに暮らしているとされています。

ディスコグラフィ（一部）

リンリン・ランランは、複数のシングルおよびアルバムをリリースしました。代表的なアルバムには以下のものがあります。

『恋のインディアン人形 / リンリン・ランランファースト・アルバム』（1974年）
『陽気な恋のキューピッド / リンリン・ランラン No.2』（1974年）
* 『夢の世界』（1975年）

また、彼女たちの楽曲は、2008年にリリースされたベストCD『GOLDEN☆BEST リンリン・ランラン』に多数収録されており、現在でもその歌声を聴くことができます。

脚注と関連事項

1974年には多くの新人歌手がデビューしており、リンリン・ランランもその一人として日本の音楽史に名を刻んでいます。また、テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマとして知られる「走れ正直者」の歌詞の中にも、彼女たちの名前が登場するなど、後の世代にもその存在は記憶されています。

短い期間ながらも、その個性的なルックスとヒット曲で、1970年代の日本の歌謡界に鮮烈な印象を残した双子デュオ、リンリン・ランラン。彼女たちの残した音楽は、今も多くの人々に愛されています。

もう一度検索