リー・チョンウェイ

リー・チョンウェイ（李宗偉）

リー・チョンウェイ（Lee Chong Wei）は、1982年10月21日生まれのマレーシアの元男子バドミントン選手です。身長174cm。彼は、その輝かしいキャリアを通じて、数々の国際的なタイトルを獲得し、世界中のバドミントンファンを魅了しました。特に、オリンピックでの3度の銀メダルは、彼の不屈の精神と卓越した技術を象徴しています。

経歴

ペラ州バガン・スライで生まれたリー・チョンウェイは、11歳の時に父親の影響でバドミントンを始めました。17歳でマレーシアナショナルチームに選出され、才能を開花させます。2003年のマレーシア・オープンで初のメジャー大会決勝進出を果たし、翌2004年には同大会で初優勝。同年にはアテネオリンピックに出場しましたが、2回戦で敗退しました。

その後、リー・チョンウェイは数々のタイトルを獲得し、2008年の北京オリンピックでは金メダルの有力候補として出場。しかし、決勝で宿敵・林丹に敗れ、銀メダルに終わりました。2008年から2012年6月にかけては、世界ランキング1位を長期間維持し、その実力を世界に示しました。また、BWFスーパーシリーズファイナルでは2008年から2010年まで3連覇を達成しました。

2012年のロンドンオリンピックでも、決勝で林丹と対戦。第1ゲームを先取するも逆転負けを喫し、2大会連続の銀メダルとなりました。2014年の世界選手権では準優勝を果たしましたが、薬物検査で陽性反応が出たため、銀メダル剥奪と出場停止処分を受けました。しかし、その後も競技に復帰し、2016年には再び世界ランキング1位に返り咲きました。2016年のリオオリンピックでも決勝に進出しましたが、諶龍に敗れ、3大会連続の銀メダルとなりました。

2018年、リー・チョンウェイは鼻のがんが発覚し、2019年6月13日に現役引退を発表しました。彼の引退は、多くのファンに惜しまれましたが、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。

主な成績（シングルス）

リー・チョンウェイは、数多くの国際大会で素晴らしい成績を収めています。以下は、その主なものです。

2004年 マレーシア・オープン 優勝
2004年 台湾（チャイニーズ・タイペイ）オープン 優勝
2005年 マレーシア・オープン 優勝
2007年 ヨネックスオープンジャパン 優勝
2008年 北京オリンピック 準優勝（銀メダル）
2008年 スーパーシリーズファイナルズ 優勝
2010年 全英オープン 優勝
2010年 コモンウェルスゲームズ 優勝
2011年 全英オープン 優勝
2012年 ロンドンオリンピック 準優勝（銀メダル）
* 2016年 リオオリンピック 準優勝（銀メダル）

人物・プレースタイル

リー・チョンウェイは、強力なスマッシュと速いフットワークを武器に、着実にポイントを重ねるプレースタイルが特徴です。基本に忠実な彼のプレーは、多くのジュニア選手にとってお手本となっています。また、彼は東日本大震災の被災者のためにチャリティーイベントを開催するなど、社会貢献活動にも積極的に参加しました。インドネシアのトッププレーヤーであるタウフィック・ヒダヤットとは親交が深く、国境を越えた友情を育んでいます。

オリンピックと世界選手権では、幾度も決勝に進出しながらもタイトル獲得には至りませんでしたが、彼の卓越した技術と精神は、多くの人々に感動を与えました。多民族国家であるマレーシアにおいて、彼のオリンピックでの活躍は、国民を一つにする力となりました。

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