ルイス・ソモサ・デバイレ

ルイス・ソモサ・デバイレ（1922年11月18日 - 1967年4月13日）は、ニカラグアの政治家であり、1956年から1963年までニカラグアの大統領を務めました。彼は、ニカラグアを長年支配した独裁者アナスタシオ・ソモサ・ガルシアの長男として生まれました。

アメリカ合衆国で教育を受けた後、ニカラグアに帰国し、政界に進出。議会に入り、上院議長に就任しました。1956年に父アナスタシオ・ソモサ・ガルシアが暗殺されると、その後継者として大統領の座を引き継ぎました。

ルイス・ソモサ・デバイレの政権運営は、父の時代とは異なり、アメリカ合衆国の意向を強く反映したものでした。彼は、父のように国家警備隊の実力に頼るのではなく、メキシコの制度的革命党（PRI）のような一党制を模倣し、表面的には国家主義自由党（PLN）による民主的な政治が行われているように見せかけながら、実際にはソモサ一族による支配を巧妙に維持しました。

大統領としての任期中、ルイス・ソモサ・デバイレは、住宅建設、農地改革、福祉制度の拡充など、様々な政策を推進しました。また、言論の自由の一部を解禁するなど、開かれた政治姿勢を演出しました。しかし、これらの政策は、国内の反政府勢力を活発化させる結果となりました。カルロス・フォンセカが結成したサンディニスタ民族解放戦線（FSLN）などの組織が台頭し、ソモサ政権に対する抵抗運動が激化しました。

さらに、ルイス・ソモサ・デバイレの政権は、内部にも問題を抱えていました。特に、軍を掌握していた弟のアナスタシオ・ソモサ・デバイレとの確執は顕著であり、政権の安定を揺るがす要因となりました。

1967年4月13日、ルイス・ソモサ・デバイレは心臓発作により急逝しました。彼の死後、弟のアナスタシオ・ソモサ・デバイレが後を継ぎ、ニカラグアの政治は新たな局面を迎えることになります。

ルイス・ソモサ・デバイレの時代は、ソモサ一族による支配が形を変えながら継続された時代であり、その後のニカラグアの歴史に大きな影響を与えました。

参考文献
田中高（編著）『エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章』明石書店 2004（ISBN 4-7503-1962-7)

関連項目
ソモサ主義(es:Somocismo)

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