制度的革命党

制度的革命党（PRI）

制度的革命党（セイドテキカクメイトウ、スペイン語: Partido Revolucionario Institucional、略称：PRI）は、メキシコにおいて長い間その歴史を歩んできた主要な政党です。1929年に結成されて以来、71年間にわたって与党として君臨していましたが、2000年の大統領選挙で政権を失い、その後も波乱に満ちた歴史を持っています。

歴史の始まり

PRIの前身である国民革命党（PNR）は、メキシコ革命の成果を制度化することを目的として設立されました。これは、当時の地方軍閥、州政府、労働組合、農民運動などを一つの政党に統合する試みでもありました。1938年にはメキシコ革命党（PRM）に改組され、1946年には現在の制度的革命党に改名されました。したがって、結成当初からPRIは実質的に与党の地位を持っていました。

組織構成

PRIの下には、メキシコ労働者総連合（CTM）や全国農民連合（CNC）、公務員組合連合（FETSE）など多くの組織が存在し、長年にわたってメキシコの政治体制の中枢を担ってきました。この政党はラテンアメリカにおける人民主義の先駆けとなり、さまざまな社会階層を支持基盤とする包括政党の性質を持っていました。このことにより、PRIは労働者に対しては社会主義的な政策を、財界に対しては資本主義的な政策を提案していたのです。

政治体制の変化

1980年代半ばから90年代初頭にかけて、PRIは内部での腐敗の進行や、反対勢力の台頭に直面しました。特に右派の国民行動党（PAN）と、結束した左翼勢力の民主革命党（PRD）が攻勢を強め、PRIの支配体制は危機に瀕していました。1988年の大統領選挙では、PRIの候補者が選挙不正によって勝利したものの、その後も政治的地位は不安定でした。

腐敗の影響

サリナス大統領の時代には、麻薬カルテルとの関係が噂され、その結果として国民からの支持を失うことになりました。また、1994年にはサパティスタの武装蜂起が発生し、政治情勢は一層厳しくなりました。この一連の出来事を通じて、PRIの政権運営は深刻な影響を受けました。

野党化への道

2000年の大統領選挙では、PANのビセンテ・フォックスが当選し、PRIは野党への転落を余儀なくされました。その後も政策の選択肢を模索したものの、2006年の選挙では伸び悩み、再度政権を握ることはできませんでした。

再び与党内への復帰

2009年に行われた下院選挙では、PRIが第1党に返り咲き、2012年にはエンリケ・ペーニャ・ニエトが大統領に当選することで政権与党としての地位を取り戻しました。しかし、この復帰も一時的なもので、2018年の総選挙では新たに登場した国民再生運動（MORENA）に敗北し、再び野党に転落しました。

現在の状況と展望

PRIの歴史は、与党から野党への転換、またその逆を繰り返してきましたが、今後の政局の中でどのように再構築されていくのかは注目されています。歴史的背景を持つこの政党が、再び重要な役割を果たすことができるのか新たな挑戦が求められています。

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