ルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェビュール＝ヴェリー

ルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェビュール＝ヴェリー（Louis James Alfred Lefébure-Wely, 1817-1869）は、19世紀フランスの音楽界において、特にオルガン分野で傑出した存在でした。オルガン奏者および作曲家としての顔を持ちましたが、とりわけ即興演奏の卓越した技量でその名を知られていました。

彼は、フランスのオルガン音楽の歴史において、新しいシンフォニック・オルガン様式が確立されていく過渡期に重要な役割を果たしました。この時代の革新的なオルガン建造家であるアリスティード・カヴァイエ＝コルとは深い親交を結び、彼の生涯の重要な部分を占めていました。カヴァイエ＝コルが製作した数多くのオルガンの完成披露演奏会では、ルフェビュール＝ヴェリーがその最新の楽器の可能性を最大限に引き出す演奏を披露し、両者の協力は当時のオルガン音楽の発展に大きく寄与しました。

パリにおける彼の活動は、市内の著名な教会でのオルガニストとしてのキャリアに集約されます。彼はまず、1841年から1846年までサン＝ロッシュ教会のオルガニストを務めました。続いて、1846年から1858年までの長きにわたり、マドレーヌ教会のオルガンを任されました。そして、1863年からその生涯を終える1869年までは、サン＝シュルピス教会のオルガニストとして活躍しました。これらの歴史ある教会での活動は、彼の演奏家としての名声を不動のものとしました。

教育者としての側面も持ち合わせており、後にフランス音楽界を牽引する大作曲家となるカミーユ・サン＝サーンスも、ルフェビュール＝ヴェリーから指導を受けた一人として名を連ねています。

ルフェビュール＝ヴェリーは1869年にパリでその波乱に満ちた生涯を閉じました。彼の遺体は、パリ市内にある名高いペール・ラシェーズ墓地に埋葬され、現在もそこに安らかに眠っています。即興演奏の名手として、またフランスのオルガン音楽の発展に貢献した作曲家・演奏家として、彼の功績は今なお記憶されています。

彼の残した楽譜については、国際楽譜ライブラリープロジェクトなどで閲覧することが可能です。

もう一度検索