ルイ・フェルディナン (フランス王太子)

ルイ・フェルディナン・ド・フランスは、1729年9月4日にフランス王ルイ15世と王妃マリー・レクザンスカの長男として誕生しました。誕生と同時に王太子（ドーファン）の地位を与えられましたが、その生涯で王位に就くことはありませんでした。

生涯

1745年、ルイ・フェルディナンはスペイン王フェリペ5世の娘で、自身の従妹にあたるマリー＝テレーズ＝ラファエルと結婚しました。しかし、妃は翌1746年に病死し、残された一人娘マリー＝テレーズも夭逝するという悲劇に見舞われます。同年にフェリペ5世より金羊毛騎士団員に叙任されました。

1747年、彼はポーランド王アウグスト3世（兼ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト2世）の娘マリー＝ジョゼフ・ド・サクスと再婚し、この結婚で5男3女をもうけました。その中には、後のフランス王となるベリー公ルイ・オーギュスト（ルイ16世）、プロヴァンス伯ルイ・スタニスラス（ルイ18世）、アルトワ伯シャルル・フィリップ（シャルル10世）が含まれます。

ルイ・フェルディナンは、父ルイ15世とは対照的に、敬虔で厳格な人物でした。彼はローマ教皇クレメンス13世と共にイエズス会の保護に尽力しました。しかし、1765年、父王に先立ち36歳という若さでこの世を去りました。彼の死後、長男ブルゴーニュ公ルイ・ジョゼフ・グザヴィエと次男アキテーヌ公グザヴィエ・マリー・ジョゼフが既に亡くなっていたため、三男のベリー公ルイ・オーギュストが新たな王太子となり、1774年にフランス王位を継承しました。

ルイ・フェルディナンは、フランスとオーストリアの和平を目的とした政略結婚である、三男ルイ・オーギュストとマリア・テレジアの末娘マリア・アントーニアの縁談に反対していました。しかし、自身と妃マリー＝ジョゼフの死後、この縁談は進められることとなりました。この結婚は、後にフランス革命の引き金となる出来事の1つとなります。

子女

最初の妃マリー＝テレーズ＝ラファエル・ド・ブルボンとの間には、夭逝した1女をもうけました。

マリー＝テレーズ（1746年 - 1748年）

2番目の妃マリー＝ジョゼフ・ド・サクスとの間には、5男3女をもうけました。

マリー・ゼフィリーヌ（1750年 - 1755年）
ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ（1751年 - 1761年） - ブルゴーニュ公
グザヴィエ・マリー・ジョゼフ（1753年 - 1754年） - アキテーヌ公
ルイ・オーギュスト（1754年 - 1793年） - ベリー公、後のフランス王ルイ16世
ルイ・スタニスラス・グザヴィエ（1755年 - 1824年） - プロヴァンス伯、後のフランス王ルイ18世
シャルル・フィリップ（1757年 - 1836年） - アルトワ伯、後のフランス王シャルル10世
マリー・アデライード・クロティルド・グザヴィエール（1759年 - 1802年） - サルデーニャ王カルロ・エマヌエーレ4世妃
* エリザベート・フィリッピーヌ・マリー・エレーヌ（1764年 - 1794年）

ルイ・フェルディナンの生涯は、フランス王室の変遷期を映し出す鏡であり、彼の子供たちが歴史の舞台で重要な役割を果たすこととなりました。彼自身は王位に就くことはなかったものの、その血筋はフランスの歴史に深く刻まれています。

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