ルイ・ロペス・デ・ビリャロボス

ルイ・ロペス・デ・ビリャロボスの探検の歴史

ルイ・ロペス・デ・ビリャロボス（Ruy López de Villalobos、1500年頃 - 1546年4月4日）は、16世紀スペインの探検家として知られる人物です。彼はメキシコから香料が豊富なモルッカ諸島（現在のインドネシア）への航路を探るために太平洋へ出発しました。1543年にはフィリピン諸島に到達し、そこで最初に「フィリピン」という名前をつけた人物となります。また、彼は小笠原諸島に属する火山列島を発見したことでも注目されています。

生涯と探検の背景

当時、スペインとポルトガルは貴重なスパイスを求め、モルッカ諸島の領有権をめぐって激しい競争を繰り広げていました。ポルトガルがこの地を広範囲に探検する中、スペイン側はフェルディナンド・マゼランの航海による情報を基に、モルッカ諸島の存在を知り、これを手に入れることを諦めたくありませんでした。

ロペス・デ・ビリャロボスは1541年、ヌエバ・エスパーニャの初代副王であるアントニオ・デ・メンドーサに東インド諸島への航海の指揮を任命されました。1542年、彼は4隻の船を率いてメキシコを出航し、北太平洋を横断する航海に出ました。この探検の過程では、多くの小島を発見し、おそらくハワイ諸島も含まれていたとされています。

艦隊は最初にルソン島の南海岸に達し、ここに短期間停泊しました。次にサマール島とレイテ島に上陸した際、ロペス・デ・ビリャロボスはスペインの皇太子であるフェリペ（後のフェリペ2世）にちなんで、これらの島々を「ラス・イスラス・フェリピナス (Las Islas Felipinas) 」と名づけました。このことが現在のフィリピンという国名の由来となっています。しかし、彼の探検は先住民との敵対により困難を極め、飢えや難破といった試練が彼を待ち受けていました。

探検の行動とその後

1543年の8月26日、ロペス・デ・ビリャロボスは金銀島を探ってミンダナオ島を出発しました。10月2日には北硫黄島付近を通過し、これまた新たな火山列島を発見しましたが、彼の艦隊は生き残りをかけてモルッカ諸島への脱出を試みます。しかし、すでにモルッカにいたポルトガル人との争いに敗れ、多くの乗組員が捕虜となる運命を辿りました。

ロペス・デ・ビリャロボス自身は、1544年にアンボイナ島で捕虜生活を送る中で病に伏し、命を落としました。一方、残った乗組員は辛うじて生き残り、ヌエバ・エスパーニャに帰還することができました。彼の艦隊には、後にイエズス会の宣教師として日本の布教に従事したコスメ・デ・トーレスも同船していたことが知られています。

彼の探検はフィリピン諸島への道を開く重要な一歩となり、歴史上の大きな意味を持っています。ロペス・デ・ビリャロボスの名は、今後も彼の業績と共に語り継がれることでしょう。

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