ルイーズ (アーガイル公爵夫人)

アーガイル公爵夫人ルイーズ王女について

アーガイル公爵夫人ルイーズ王女（Princess Louise, Duchess of Argyll、1848年3月18日 - 1939年12月3日）は、イギリス女王ヴィクトリアと王配アルバートの四女であり、アーガイル公爵ジョン・キャンベルの妻です。彼女は、ドイツ皇后ヴィクトリアやヘッセン大公妃アリスなど、名だたる兄姉を持つ王室の一員として知られています。ルイーズの人生は、家庭教育を受けた幼少期から始まり、20歳の時に国立芸術学校へ通い始めることで、彼女の芸術家としての道が開かれました。

婚約と結婚

ルイーズの結婚に関して、彼女の母であるヴィクトリア女王は、娘にふさわしい花婿を探すために活動を開始しました。プリンセス・オブ・ウェールズであるアレクサンドラは、デンマーク王太子フレデリックを勧めましたが、女王は当時の政治的な背景からこの縁組には反対しました。ルイーズの長姉からは、長身で資産家のアルブレヒト王子が勧められるものの、最終的に女王はスコットランドのアーガイル公爵の後継者であるローン侯爵ジョンを花婿として選びます。この結婚は1871年3月21日にウィンザー城で行われました。

カナダでの生活

1878年、ローン侯はカナダ総督に任命され、夫妻はリヴァプール港からカナダへ向かいました。ルイーズ王女はカナダ国内で非常に人気があり、広範囲にわたって訪問しました。彼女は姉妹の中でも特に美しいとされ、その芸術的才能は王室の中でも際立っていました。作家や彫刻家として活動し、油彩や水彩画を手がけました。特に、リンゴの花の絵を施したドアはカナダ総督公舎に今も残っています。

健康と危機

しかし、ルイーズはしばしば健康を害し、特に1880年2月にはオタワで転倒して重傷を負い、これを聞いた母ヴィクトリア女王は心配と不安から怒りを表しました。ルイーズは全快後、夫を残してイギリスに帰国し、約2年間の別居生活を送りました。病院を訪れる際には、彼女は単に「ルイーズ」とだけ署名するなど、控えめな一面もありました。

アーガイル公の死と戦争への関与

1900年には夫が第8代アーガイル公を襲爵し、1914年には彼の死去が続きます。未亡人となったルイーズは、第一次世界大戦中にフランスに派遣されたカナダ軍を訪問するなど、戦争の影響を受けた時代を共に過ごしました。1939年12月、彼女は91歳でケンジントン宮殿で静かに息を引き取りました。遺言により、彼女の遺灰は両親が埋葬されているフロッグモアの王室墓地に納められました。

子供たち

アーガイル公爵夫妻には子供が授からなかったという点も特筆されます。学者たちによれば、ルイーズは10代で脳膜炎を患ったことが原因で不妊症であったとのことです。また、ルイーズ自身が冷涼な気候を理由にカナダを離れて過ごすことが多かったことも、子供ができなかった要因の一つとされています。

最後に

ルイーズ王女は、その美しさと才能に加え、悲劇的な人生を歩んだ女性でした。彼女の芸術家的な業績は、今も多くの人々に影響を与えています。

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