ルイ9世 (フランス王)

ルイ9世の生涯と業績

ルイ9世（Louis IX, 1214年4月25日 - 1270年8月25日）は、フランス王国のカペー朝第9代国王であり、1226年から1270年まで在位しました。彼はルイ8世の子であり、母はカスティーリャ王の娘ブランシュです。ルイ9世はその死後、カトリック教会より列聖され、現在では「聖ルイ」（Saint-Louis）と称されることが多いです。この名前は、アメリカのセントルイス（ミズーリ州）の地名の由来ともなっています。彼の名は多くのブルボン家の王に受け継がれています。

統治初期と内政の安定

ルイ9世は12歳で即位し、母ブランシュの摂政の下で政務を学びました。ブランシュは優れた政治家であり、アルビジョア十字軍を続けながら国内の反乱を抑えました。若き王の下では、フランスの諸侯たちが自由を求めて反抗的な動きを見せましたが、ルイ9世は市民の支援を得てこれを抑え込むことに成功しました。

彼は1229年にはトゥールーズ伯との和平を結び、混乱を終息させた後、自らの親政に入ります。彼は都市と農村の市民に信頼を寄せ、合法的な統治を進めました。

十字軍の挑戦

内政の安定を築いたルイ9世は、1248年、念願の第7回十字軍に出発しますが、エジプトでの遠征は失敗に終わりました。捕虜となり、大金の身代金を支払い、国に戻る羽目になりました。彼はその後も聖地巡礼を続ける中で、イスラム教勢力と同盟を築く努力をしました。

外交と調停者の役割

ルイ9世は、教皇及び様々な国相手に外交活動を行い、ヨーロッパの調停者とされました。1264年には、イングランドのヘンリー3世と内部のバロン戦争を調停しながら、その外交手腕を一層発揮しました。彼は平和を愛し、国際的な紛争解決に力を尽くしましたが、争いは常に存在しました。

最期と聖なる遺産

晩年には再び十字軍を志し、1270年にチュニジアへの遠征を行いましたが、健康を害し、ペストにかかることになります。彼の最期の言葉は「イェルサレム」であったと伝えられています。彼の死後、27年後にカトリック教会によって列聖され、「聖王」として記憶されています。

人となりと評価

ルイ9世は敬虔なキリスト教徒であり、貧困層への慈悲深い行動が数多く伝えられています。救貧院を設立し、自身も貧者を助ける活動を行いました。彼の治世においては、芸術と文化が栄え、ゴシック様式の建築が注目を浴びました。パリはこの時期、ヨーロッパの文化的中心地となりました。

彼に対する評価は二つに分かれ、素晴らしい内政と外交は評価される一方で、十字軍の失敗や領土拡大を果たせなかったことに批判的な意見も存在します。すべてにおいて高潔で敬虔な人物であったことに異論はないでしょう。

逸話や家庭

母ブランシュとの微妙な関係や、妻マルグリットとのロマンティックな逢瀬の逸話が語り草となっています。彼は6男5女の子どもをもうけ、特に息子のフィリップ3世が後を継ぎました。ルイ9世の生涯は、フランスの歴史において特異な位置を占めており、その影響は今なお続いています。

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