ルジジ川

ルジジ川について

ルジジ川（Ruzizi River）はアフリカ大地溝帯に位置し、全長117キロメートルにわたり流れています。この川はキブ湖から流れ出て、コンゴ民主共和国とルワンダ、ブルンジにまたがる国境を南に進み、最終的にタンガニーカ湖の北端へと注ぎ込まれています。川の流れは高低差の大きいものであり、キブ湖の標高は約1500メートルですが、タンガニーカ湖は770メートルの位置にあります。この短距離での流れ降りは、独特の地形や生態系を形成する要因となっています。

さらに、ルジジ川の河口にはデルタが形成されており、この周辺には平地と穏やかな丘があります。この地域は生物多様性が豊かで、特に野生動物の生息地として注目されています。川沿いにはナイルワニの一種であるギュスターブという個体があり、このワニは300人以上の人々を襲ったとされ、地元の住民から恐れられています。

水力発電の役割

ルジジ川の流出口付近には、1958年に建設されたルジジ第1ダムがあります。このダムは水力発電を目的とし、キブ湖の水位を調整するとともに、近隣の町であるブバンザやキゴマに電力を供給しています。年間148ギガワットの発電量を誇るこのダムは、地域経済にとって欠かせない存在です。

さらに、1989年にはルジジ第2発電所が供用開始され、これらの発電所はルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国からの共同出資によって運営されています。しかし、依然として地域の電力需要を十分には満たしておらず、より多くの電力供給が求められています。そのため、ルジジ川の25キロメートル下流にルジジ第3発電所の建設が計画されています。

2010年には日本からの融資を受けて、ルジジ発電所からブルンジの首都ブジュンブラやコンゴのゴマに向けた送電線の建設が進みました。

ルジジ国立公園

ルジジ川の下流域には、ルジジ国立公園が広がっています。この公園は多様な鳥類や動物たちが生息する貴重な生態系を持ち、ナイルワニ、カバ、シタツンガなどが見られます。最初のラムサール条約の登録地の一つとして2002年に選ばれ、世界の重要な湿地としての役割を持っています。公園に生息する生物の観察は、エコツーリズムにも大きく寄与しています。

ルジジ川はその美しい自然景観、水力発電の重要性、豊かな生態系によって、アフリカの重要な地理的特徴の一つとなっています。

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