ルドルフ3世 (ザクセン選帝侯)

ルドルフ3世（Rudolf III., 1373年頃 - 1419年6月11日）は、アスカニア家出身のザクセン＝ヴィッテンベルク公であり、ザクセン選帝侯として1388年から1419年まで在位しました。

生涯

ルドルフ3世は、先代のザクセン選帝侯ヴェンツェルの長男として生まれました。1388年に父が亡くなると、ザクセン＝ヴィッテンベルク公領を継承し、選帝侯の地位に就きました。

在位中、ルドルフ3世はマグデブルク大司教との間で長きにわたる対立関係にありました。この対立の具体的な内容や原因については、史料が限られているため不明な点も多いですが、領土や権益を巡る争いがあったと考えられています。また、ルドルフ3世はヴィッテンベルク城内教会に多額の寄付を行いました。これは、教会の権威を高め、自身の信仰心を示すための行為であったと考えられます。

1419年、プラハでフス戦争のきっかけとなったプラハ窓外放出事件が発生しました。ボヘミア王ヴェンツェルは、フス派による暴動を鎮圧するため、ルドルフ3世をベーメンに派遣しました。しかし、ルドルフ3世はベーメンで恐らく毒殺されたとされています。彼の死は、フス戦争の初期における重要な出来事の一つとして記録されています。

ルドルフ3世の遺体は、ヴィッテンベルクのフランシスコ会教会に埋葬されました。19世紀末には、遺骨が納められた棺がヴィッテンベルク城内教会に移され、第二次世界大戦中にザクセン＝ヴィッテンベルク家の墓に合葬されました。

結婚と子女

ルドルフ3世は、生涯で2度の結婚をしました。

1度目は、1387年から1389年の間に、マイセン辺境伯バルタザールの娘アンナと結婚しました。アンナは1377年に生まれ、1395年7月4日に亡くなりました。2度目は、1396年3月6日に、レグニツァ公ルプレヒト1世の娘バルバラと結婚しました。バルバラは1435年5月17日に亡くなりました。

これらの結婚を通して、ルドルフ3世は以下の子女をもうけました。

ショラスティカ（1393年 - 1463年） - ジャガン公ヤン1世と結婚
ルドルフ（1406年没）
ヴェンツェスラス（1407年没）
ジクムント（1407年没）
バルバラ（1405年 - 1465年） - ブランデンブルク＝クルムバッハ辺境伯ヨハンと結婚

ルドルフ3世の生涯は、当時の神聖ローマ帝国内における政治的、宗教的な対立が激化する時代を反映しています。彼の死後、ザクセン選帝侯領は彼の後継者によって引き継がれましたが、フス戦争の影響などを受け、安定した統治を維持することは容易ではありませんでした。

参考文献

Otto von Heinemann (1889). "Rudolf III. (Herzog und Kurfürst von Sachsen)". Allgemeine Deutsche Biographie (ドイツ語). Vol. 29. Leipzig: Duncker & Humblot. pp. 555–556.
Lorenz Friedrich Beck: Rudolf III.. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 22, Duncker & Humblot, Berlin 2005, ISBN 3-428-11203-2, S. 186 (電子テキスト版).
Lutz Partenheimer/André Stellmacher: Die Unterwerfung der Quitzows und der Beginn der Hohenzollernherrschaft über Brandenburg. Potsdam 2014. ISBN 978-3-88372-099-9 (Broschur)/978-3-88372-103-3 (Festeinband).

もう一度検索