ルノー・コレオス

ルノー・コレオス：グローバルSUVの進化

ルノー・コレオスは、フランスの自動車メーカーであるルノーが2007年から販売するSUVです。日本、韓国、オーストラリアなど世界各国で販売され、ルノーサムスン（現ルノーコリア）との緊密な連携によって開発・生産されてきました。3世代にわたるモデルチェンジを経て、その姿と技術を進化させてきました。

初代コレオス (HY/H45型 2008年-2016年)

初代コレオスは、ルノー、日産、ルノーサムスン自動車の3社による初のジョイントベンチャーとして開発されました。日産のCプラットフォームをベースに、ルノーのデザインと商品企画、日産の主要メカニズム提供、ルノーサムスンの生産という体制で開発が進み、神奈川県厚木市の日産テクニカルセンターで3社共同による開発が行われました。

全長4,520mm（日本仕様は4,525mm）、全幅1,850mm（日本仕様は1,855mm）、全高1,695mm（4WDは1,710mm）というボディサイズは、同時期の日産デュアリスより一回り大きく、力強い存在感を示しました。エンジンはルノー・日産共同開発の2.0Lディーゼルエンジンと、日産の2.5Lガソリンエンジンの3種類がラインナップ。トランスミッションは6速MTとエクストロニックCVTが用意されました。4WDシステムは日産独自のオールモード4X4-iを採用し、高い走破性と安全性を両立。ユーロNCAPで最高評価を獲得するなど、安全性にも配慮した設計となっています。

日本仕様は2.5Lガソリンエンジン＋エクストロニックCVT＋4WDの組み合わせのみとなり、欧州で設定されていたFFモデルやディーゼルエンジン、MTは設定されませんでした。また、日本の道路事情に配慮し、右ハンドル仕様のみとなりました。助手席側ミラーにサブミラーを追加することで、スタイリッシュなデザインを維持しつつ、安全性を確保しています。

初代コレオスのモデルライフ

前期 (2008年-2011年): 2008年3月にジュネーブショーでワールドプレミア。同年9月には欧州での販売台数が3万台を突破。日本市場への導入は2009年5月です。
中期 (2011年-2013年): フロントフェイスを中心にマイナーチェンジを実施。視認性の向上や操作性の改善などが行われました。
* 後期 (2013年-2016年): さらなるフェイスリフトを行い、ルノーの最新デザインアイコンである「サイクル・オブ・ライフ」を採用。R-Linkインフォテインメントシステムや安全装備の充実などが図られました。2016年1月に日本での販売が終了しました。

2代目コレオス (HZG型 2016年-2023年)

2代目コレオスは、2016年4月の北京モーターショーで世界初公開されました。ルノーサムスン主導で開発され、3代目エクストレイルをベースにルノーのデザインチームがエクステリア・インテリアデザインを担当しました。プラットフォームには、日産が主導開発したCMF-C/Dプラットフォームを採用。先代の特徴であったクラムシェルゲートは一般的なゲートに変更されましたが、ハンズフリーリアゲート「マジックゲート」を採用することで利便性を向上させています。

エクステリアデザインは、ルノーのデザインアイコンである「サイクル・オブ・ライフ」に基づき、洗練されたデザインを採用。カジャーとの差別化を図るため、全長を拡大しDセグメントへとクラスアップしました。エンジンは、先代からのキャリーオーバーである2.0Lディーゼルエンジンと2.5Lガソリンエンジンに加え、地域によっては2.0Lガソリンエンジンも設定されました。インフォテインメントシステムは「R-Link 2」へと進化し、8.7インチタッチパネルディスプレイを採用しました。右ハンドル仕様も用意され、オーストラリアやイギリスなど右ハンドル市場でも販売されました。ルノーサムスンではQM6として販売されました。2023年3月、欧州市場向けはモデル廃止となりました。

3代目コレオス (2024年-)

3代目は2024年6月、釜山モビリティーショーで発表されました。ルノーコリアが吉利汽車のXingyue Lをベースに開発したモデルで、プラットフォームはボルボが開発したCMAを採用しています。エクステリアデザインはフランスと韓国のルノー・デザインチームが担当し、ベース車とは異なる専用デザインとなっています。インテリアには、韓国車として最大級の「openR パノラマスクリーン」を搭載。2.0Lガソリン直4ターボエンジンと1.5Lガソリン直3ターボ+モーターのE-TECHハイブリッドが搭載されています。グレードは「テクノ」「アイコニック」「エスプリ アルピーヌ」の3種類が設定され、韓国市場では「ルノー・グランコレオス」として販売されています。欧州市場への導入は現時点では予定されていません。

コレオスの車名の由来

コレオスという車名は、ギリシャ語で刀の鞘を意味する言葉に由来しています。

まとめ

コレオスは、ルノー、日産、ルノーコリアの3社がそれぞれの強みを活かして開発を進めてきたグローバルSUVです。3世代に渡るモデルチェンジを通して、デザイン、機能、安全性能を進化させ、世界中の顧客に愛されてきました。今後のコレオスの展開にも注目が集まります。

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