ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-

ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-：宝塚歌劇団による華麗なる大冒険

宝塚歌劇団雪組によって2015年に上演されたミュージカル『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-』は、モンキー・パンチ原作の人気漫画『ルパン三世』を大胆に舞台化した作品です。脚本・演出は小柳奈穂子が担当し、雪組トップコンビ、早霧せいなと咲妃みゆのお披露目公演として、宝塚大劇場と東京宝塚劇場で盛況のうちに幕を閉じました。

本作は、1998年の「ルパン三世 I'm LUPIN」以来、実に17年ぶりとなるルパン三世のミュージカル化であり、宝塚歌劇においては初の試みでした。さらに、ルパン三世シリーズとして初めて、女性キャストのみで上演されたという点でも注目を集めました。

ストーリーは、現代のフランス、ベルサイユ宮殿から始まります。長らく行方不明だったマリー・アントワネットの首飾りが発見されたというニュースをきっかけに、ルパン三世、次元大介、石川五ェ門、峰不二子は、30億円とも言われるその首飾りを狙って宮殿に潜入します。そこに待ち構えていたのは、おなじみの銭形警部でした。

ルパンたちと銭形警部の攻防の最中、予期せぬ出来事が起こります。ルパンが悪戯心から唱えた呪文が、何らかのトリガーとなり、5人は不思議な光に包まれ、1785年のフランス革命前夜へとタイムスリップしてしまうのです。

18世紀のフランスに迷い込んだルパンたちは、そこで神出鬼没の錬金術師、カリオストロ伯爵の存在を知ります。現代へ戻る手がかりを求め、ルパンはカリオストロ伯爵に近づきますが、その過程で、王妃マリー・アントワネットが所有するハプスブルク家の秘宝「マリアの涙」が、タイムスリップからの脱出のカギとなることを突き止めます。

一方、銭形警部もまた、ルパンたちの行方を追ってタイムスリップしており、マリー・アントワネットの護衛であるアンリとジョルジュと共にルパン逮捕に全力を尽くします。

ルパンは、マリー・アントワネットの首飾りを取り戻すことを条件に、王妃に恨みを抱くジャンヌとその愛人レトーと手を組みます。「マリアの涙」を手に入れるため、マリー・アントワネットに接近するルパンですが、次第に彼女の気高く、自由を愛する生き方に心奪われていきます。マリー・アントワネットもまた、ルパンの奔放さと魅力に惹かれていきます。

しかし、ルパンは、未来を知っているがゆえに、マリー・アントワネットの悲劇的な最期を阻止するという、歴史を変えるという大胆な計画を立てます。果たして、ルパンはマリー・アントワネットを救い、現代へ戻ることはできるのでしょうか？

本作は、アニメシリーズを彷彿とさせる演出が随所に施されています。「裏切りは女のアクセサリー」といった象徴的なセリフや、大野雄二作曲によるTV第2シリーズのBGM、そして「ルパン三世のテーマ」や「銭形マーチ」といったおなじみの楽曲がふんだんに使用されています。衣装デザインもTV第2シリーズおよびTVスペシャルシリーズを参考にデザインされ、細部までこだわり抜かれた、ファン必見の舞台となっています。

小柳奈穂子の脚本・演出、そして宝塚歌劇団の華麗な舞台装置、衣装、そしてダンサーたちの素晴らしいパフォーマンスによって、『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-』は、原作漫画の魅力を余すことなく表現した、記憶に残るミュージカル作品として完成しました。2015年4月28日には、公演と稽古風景の特典映像を収録したDVDも発売され、多くのファンを喜ばせました。

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