ルビーパーティー

ルビーパーティーは、コーエーテクモゲームス（旧光栄）の乙女ゲーム「ネオロマンスシリーズ」などを制作するチームであり、同社の女性向けコンテンツ制作を担う社内ブランドの一つです。関連書籍では原作者としてクレジットされることもあります。

歴史

1994年に『アンジェリーク』を発売し、世界初の「女性向け恋愛ゲーム」というジャンルを開拓しました。名前の由来は、宝石の女王とされ情熱や純愛を表す「ルビー」を女性の象徴として選び、仲間を意味する「パーティー」を加えたものです。

1980年代、コンピュータゲームは戦争やアクション、シューティングが主流で、男性ユーザーが圧倒的でした。しかし、当時の光栄専務だった襟川恵子は、「人類の半分は女性だ。女性の好みに合わせたゲームを作れば、女性も楽しめるはずだ」と主張し、女性向けゲームの製作を目指しました。佐藤辰男は後に襟川の先見の明に対し、「市場もなかったのに、よくそんな風に思い込めるね」と感嘆しています。

当初、女性スタッフはわずかでしたが、1987年から女性プログラマーやゲームクリエイターの採用を始め、徐々に女性の採用数を増やしました。しかし、ゲーム制作者の経験が浅かったり、スキルを習得したスタッフが結婚・退職したりと、チームとして発足するには時間がかかりました。それでも襟川は諦めず、10年をかけて女性中心のゲーム製作チーム「ルビーパーティー」を結成し、1994年に『アンジェリーク』を完成させました。女性中心のチームではありますが、ゲームシステムの構築にはシブサワ・コウをはじめとする男性陣も関わっています。

『アンジェリーク』はスーパーファミコンで発売されたため、台詞はテキストのみで音声は入っていませんでしたが、ドラマCDがゲームとほぼ同時に発売されました。これは、女性向けゲーム市場が小さいと予想されたため、最初から様々なメディアで展開することで、女性向けゲームの存在を周知するための戦略でした。また、ゲームでは表現しきれない部分を補完する役割もありました。

声優を起用したイベントも企画され、こうしたメディアミックス展開は女性向けゲームの定番となりました。また、他社では続編で声優が交代することが多いのに対し、ルビーパーティーでは基本的に前作の声優が続投して起用されています。

2000年には『遙かなる時空の中で』、2003年には『金色のコルダ』と作品を発売し、いずれもシリーズ化されています。また、『進撃の巨人』『バディミッション BOND』といった乙女ゲーム以外のジャンルのゲームも制作しています。

『アンジェリーク』が好きでゲーム業界を志望したというファンがスタッフに応募してくることもあります。スタッフは女性が多いですが、常に華やかな雰囲気というわけではなく、時にはサバサバとした戦場のような雰囲気になるとのことです。女性が多い職場であるため、結婚や出産を経ても働き続けられる体制が整えられています。

2016年4月1日、メディア事業部がエンタテインメント事業部内のブランド別組織「ルビーパーティーブランド」となり、ブランド長には襟川恵子の長女である襟川芽衣が就任しました。

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