ルルイエ

ルルイエ：クトゥルフ神話における神秘の島

ルルイエ（R'lyeh）は、アメリカの作家H.P.ラヴクラフトが創造した架空の島であり、特にクトゥルフ神話の中核を成す重要な要素です。この島は、ラヴクラフトの短編小説『クトゥルフの呼び声』（1926年）で初めて触れられ、恐怖と神秘が交錯する場所として描かれています。ルルイエの名称は、実は人間の言葉ではなく、ラヴクラフトの意図を反映した英語の当て字に過ぎないとされており、その正確な発音も未だ不明です。日本語では「ルルイェ」「ル・リエー」など、様々な表記があります。

地理的な位置と特徴

ルルイエは、現在は南太平洋の海底に沈んでいるとされています。具体的には、ニュージーランド、南米大陸、南極大陸の中間に位置し、特定の座標（南緯47度9分、西経126度43分）で確認されています。この位置は、現実の地点で言うと、太平洋にある「ポイント・ネモ」と近く、アクセスが難しい地域に位置しています。

物語の中では、ルルイエは異様な形状を持つ建物群で構成され、非ユークリッド幾何学的な特徴が強調されています。これらの建物は、クトゥルフが再び目覚める日を待つ場所として描かれ、星辰が適切な位置に整ったときに艦船が海から浮かび上がると信じられています。クトゥルフが死の眠りにある間、ルルイエは静寂の中に眠り続けているのです。

ルルイエにまつわる文化

ルルイエに由来する著作も存在し、中でも『ルルイエ異本』はオーガスト・ダーレスによって創られた架空の書籍です。この本にはルルイエとそのクトゥルフ崇拝に関する様々な伝承が記されています。また、クトゥルフ神話の他の要素として「ムー大陸」があり、こちらはクトゥルフの支配地として、ルルイエは彼の居城とされています。どちらもかつて存在したが、今は海の底に沈んでいるとされ、互いに関連付けられています。

さまざまな描写と登場作品

ルルイエの位置は、ラヴクラフトの作品ごとに異なる解釈がされており、ダーレスの作品では南緯49度51分、西経128度34分の地点が指定されています。また、後続の作品においてもルルイエの位置は変化し、チャールズ・ストロスによる小説「A Colder War」ではバルト海にあったり、Nick Mamatasの「Move Under Ground」ではカリフォルニア海岸近くに設定されるなど、多様な描写がされてきました。

クトゥルフ神話においてルルイエは特にファンからも注目される存在であり、『永劫の探究』や『アルハザードのランプ』など、さまざまな作品において言及されています。さらに、現代のポップカルチャーにおいては、アニメやマンガでもその名を見かけることができます。作品例としては『妖神グルメ』や『ウルトラマンティガ』があり、クトゥルフ神話を基にした作品が広く楽しまれています。

まとめ

ルルイエは、H.P.ラヴクラフトの想像力を基にした神秘的な島で、多くの作品に影響を与えている重要な存在です。その非現実的な特徴、文化的背景、様々な解釈は、クトゥルフ神話の魅力をさらに引き立てています。これからもルルイエは不気味で魅力的な存在として、読者やクリエイターの心を惹きつけ続けることでしょう。

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