ルンド条約

ルンド条約（1679年）：スコーネ戦争終結と北欧の和平

ルンド条約は、1679年9月にスウェーデンのルンドで締結された、スコーネ戦争の最終的な講和条約です。この条約は、スウェーデンとデンマークの間で結ばれ、同年にフランスとデンマークが締結したフォンテーヌブロー条約の内容を踏襲しつつ、両国の関係修復を目的とした新たな条項が加えられました。

条約の内容

ルンド条約の主な内容は以下の通りです。

1. スウェーデンとホルシュタイン＝ゴットルプ公領を1660年の状態に戻すこと: これはフォンテーヌブロー条約と同様の内容であり、領土の現状復帰を意味します。
2. スウェーデン国王カール11世とデンマーク王妹ウルリカ・エレオノーラの結婚: これは両国の関係を強化するための婚姻政策の一環でした。
3. スウェーデンとデンマークの同盟締結（軍事面での相互援助）: 軍事的な協力関係を築き、相互の安全保障を強化することを目的としていました。
4. 第三国との同盟の禁止（同盟は両国の同意を必要とする）: これは、両国が互いに牽制しあい、勝手に他国と同盟を結ぶことを防ぐための条項でした。

上記のうち、1の条項はフォンテーヌブロー条約と同じですが、2以降の条項は、スウェーデンとデンマークの関係を改善するために新たに追加されたものです。

条約締結の背景

ルンド条約が締結された背景には、スウェーデンとデンマークの間に共通する、フランスに対する不満がありました。

スウェーデンは、フランスと同盟国でありながら、サン＝ジェルマン＝アン＝レー条約などの重要な条約に締結国として参加できず、フランスの従属国のように扱われたことに屈辱を感じていました。

一方、デンマークも、スコーネ戦争の戦後処理をフランスの一存で決定され、フランスの軍事的圧力に屈し、占領した領土を獲得することができませんでした。これにより、デンマーク国内にはフランスへの不満が高まっていました。

このような状況下で、スウェーデンとデンマークは、フランスへの不満という共通の利害を持つようになり、互いに接近することで、和平条約の締結へと至りました。

条約の影響

ルンド条約の締結により、ホルシュタイン＝ゴットルプ家の主権問題など、未解決の課題は残されたものの、北欧地域には約20年間にわたる和平がもたらされました。この和平は、北欧諸国の安定と発展に大きく貢献しました。

参考文献

* 入江幸二『スウェーデン絶対王政研究 財政・軍事・バルト海帝国』知泉書館、2005年12月。ISBN 978-4-901654-62-3。

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