ルーカス・ビリア

ルーカス・ビリア：アルゼンチンが生んだ司令塔

ルーカス・ロドリゴ・ビリア（Lucas Rodrigo Biglia）。1986年1月30日、アルゼンチンのブエノスアイレス州メルセデスに生まれた元サッカー選手である。主にミッドフィールダーとして活躍し、その正確なパスとゲームを読む能力で知られた。スペイン語の発音に近い「ビグリア」表記も使われるが、イタリア系であることからイタリア語の発音に則った「ビリア」表記も用いられている。

華麗なるキャリアの軌跡

ビリアはAAアルヘンティノス・ジュニアーズの下部組織出身。CAインデペンディエンテで頭角を現し、セルヒオ・アグエロと共にチームの中核を担った。フェルナンド・ガゴと同様に、レドンドを彷彿とさせる、攻守に渡ってチームをコントロールする5番タイプのMFとして評価が高かった。

2006年、ビリアはベルギーのRSCアンデルレヒトに移籍。移籍金は300万ユーロにのぼった。欧州での初年度からその才能を開花させ、最優秀若手選手に選出されるなど、輝かしいスタートを切った。アンデルレヒトでは9シーズンに渡り活躍。リーグ戦312試合に出場し、12得点を記録。4度のリーグ優勝、1度のベルギーカップ優勝、4度のベルギー・スーパーカップ優勝に貢献した。

2013年、イタリアのセリエA、SSラツィオに移籍。2015年にはチームの主将に就任。その後、ACミランに移籍するも、2020年に自由契約となり、トルコのファティ・カラギュムリュクSKで現役生活に幕を閉じた。

アルゼンチン代表での活躍

ビリアはアルゼンチン代表として、U-17ワールドカップやU-20ワールドカップにも出場経験を持つ。しかし、北京オリンピック代表には選出されず、補欠メンバーに留まった。

A代表デビューは2011年2月。ポルトガル戦で途中出場を果たした。そして、2015年11月、ワールドカップ南米予選のコロンビア戦で代表初得点を挙げ、決勝ゴールを叩き込んだ。2011年から2018年にかけて、アルゼンチン代表として国際Aマッチ58試合に出場し、1得点を記録した。

まとめ

ルーカス・ビリアは、その正確なパスとゲームメイク能力で、クラブと代表チームで活躍した卓越したミッドフィールダーだった。ベルギーリーグで長く活躍し、イタリア・セリエAでもその才能を発揮。アルゼンチン代表としてワールドカップ予選でも重要な役割を担った。彼のキャリアは、多くのサッカーファンに記憶に残るものとなった。アンデルレヒトでの長きに渡る活躍、ラツィオでの主将経験、そして代表での活躍は、彼のキャリアを語る上で欠かせない要素である。比類なき存在感を放ち続けた、アルゼンチンが生んだ真の司令塔、それがルーカス・ビリアだったといえるだろう。

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