信条

信条とは

信条（しんじょう）とは、キリスト教において、教会がその教理や教義を神と人々に示すために成文化した箇条のことです。信経（しんきょう）とも訳されます。信仰告白と意味が近い言葉ですが、文脈によっては使い分けられることもあります（詳細は信仰告白の項目を参照）。

概要

キリスト教会は、長い歴史の中で、教理や教義に関する論争と分裂を繰り返してきました。信条は、教会に所属する信徒に対し、拘束力を持つ客観的な信仰基準として機能します。

特に重要な信条として、使徒信条、ニカイア・コンスタンティノポリス信条、カルケドン信条、アタナシオス信条が挙げられます。これらの信条は、近世に発生した一部の自由主義的な教派を除き、ほとんどすべてのキリスト教会で基本的に受け入れられています。中世以前においては、これらの信条に反対する教派は異端として排除されてきました。

信条は、偽りの教え、異端、誤りを識別し、教会から排除するために作成されました。その基準となるのは、使徒たちの教え、すなわち使徒的教理です。使徒信条は、異教とキリスト教を区別するためのものであり、プロテスタント特有の正統性を保証するものではありません。

宗教改革とそれに続くプロテスタント正統主義の時代には、ローマ・カトリック[[教会]]の教えを排除する信仰告白がなされました。プロテスタントにおいて、信条や信仰告白は聖書に従属するものとされます。

一方、ローマ・カトリック[[教会]]は、対抗宗教改革の時代にトリエント公会議を開催し、プロテスタント側の主張を断罪しました。

教理の詳細は、カテキズムによって補完されます。

主な信条

使徒信条: キリスト教の基本的な信仰内容を簡潔にまとめた信条。教会の洗礼式などで用いられる。
ニカイア・コンスタンティノポリス信条: 325年のニカイア公会議と381年のコンスタンティノポリス公会議で採択された信条。三位一体の教理を明確化。
カルケドン信条: 451年のカルケドン公会議で採択された信条。キリストの神性と人性の両立を定義。
アタナシオス信条: 三位一体の教理をより詳細に解説した信条。西方教会で広く用いられる。

信条の役割

信条は、キリスト教の信仰を明確にし、統一性を保つために重要な役割を果たします。信条は、教会の教理を明確に定義し、異端や誤った教えから信仰を守ります。また、信徒が共有する信仰の基盤となり、教会の一致を促進する役割も果たしています。ただし、信条はあくまで聖書に従属するものであり、聖書が最終的な権威であることを忘れてはなりません。

プロテスタントにおける信条

プロテスタント教会では、宗教改革以降、様々な信仰告白が作成されました。これらの信仰告白は、ローマ・カトリック[[教会]]の教えとの違いを明確にするために作成されました。プロテスタントにおける信条は、聖書の解釈に基づき、それぞれの教派が独自の信仰を表明するものです。

カトリック[[教会]]における信条

カトリック[[教会]]では、使徒信条やニカイア・コンスタンティノポリス信条などの伝統的な信条を尊重し、教会の教えを明確にするために、カテキズムを用います。カトリック[[教会]]は、信条を伝統と聖書の解釈に基づいて理解し、信徒に教えを伝えています。

参考文献

『カトリック[[教会]]文書資料集-信経および信仰と道徳に関する定義集（改訂版）』ヘンリク・デンツィンガー　エンデルレ書店
『岡田稔著作集』岡田稔 いのちのことば社
『福音主義キリスト教と福音派』宇田進 いのちのことば社

外部リンク

宗教改革期の諸信条 - ウェイバックマシン（2002年8月8日アーカイブ分）
* プロテスタントの信仰告白一覧

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