ルートヴィヒ・アンドレーアス・フォン・ケーフェンヒュラー

ルートヴィヒ・アンドレーアス・フォン・ケーフェンヒュラー（1683年 - 1744年）は、オーストリアの伯爵であり、元帥でした。彼は、同時代に活躍したヨーハン・ヨーゼフ・フォン・ケーフェンヒュラー＝メッチュの従弟にあたります。

ケーフェンヒュラーは、スペイン継承戦争に参加し、その後の1716年からは、プリンツ・オイゲンが終生保持していた竜騎兵連隊の連隊長代理を務めました。当時の軍制では、オイゲンが軍全体の指揮官に昇進しても、連隊長の地位はそのままだったためです。彼はオイゲンの指揮下で対オスマン帝国戦争（墺土戦争）に従軍し、ペーターヴァルダインの戦いやベオグラード包囲戦で戦功を挙げました。1733年には中将に昇進しています。

ポーランド継承戦争では、イタリア方面での戦闘に参加。パルマの戦いでクロード・フロリモン・ド・メルシーが戦死した後、一時的にイタリア方面の最高指揮官となりました。この頃には、オーストリア軍の主要な将軍の一人として認められていました。1737年からのオスマン帝国との戦争にも参加しています。

ケーフェンヒュラーの名を歴史にとどめたのは、オーストリア継承戦争での活躍です。開戦時、彼はウィーン防衛の指揮官でしたが、フランス・バイエルン連合軍がベーメンに侵攻した隙を突き、反攻を開始しました。彼は、連合軍の後衛を駆逐して主力との連絡を遮断すると、リンツを包囲して守備隊を降伏させ、さらにバイエルン領に侵攻してミュンヘンを占領するという大戦果を挙げました。

当時、オーストリアは孤立し、存亡の危機に瀕していました。マリア・テレジアはケーフェンヒュラーの功績を大いに喜び、彼に感謝の手紙と、自身と幼い息子ヨーゼフ2世が描かれた肖像画を贈りました。その後、ケーフェンヒュラーは軍団の指揮官とされたカール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲンの後見役として、ボヘミアとバイエルンに留まり、フランス・バイエルン連合軍との戦闘を続けました。

1743年には、ついにフランス軍を駆逐し、ライン川方面へと進軍することができました。しかし、翌1744年に急逝しました。

ケーフェンヒュラーは、後輩のレオポルト・フォン・ダウンに対し、オーストリア軍の問題点と対策に関する考察ノートを残しました。ダウンは、その後のオーストリア軍の改革にこのノートを活用し、ケーフェンヒュラーの遺志を継承しました。

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