ルートヴィヒ3世 (東フランク王)

ルートヴィヒ3世は、カロリング朝の東フランク王国の国王であり、835年に生まれ、882年1月20日にこの世を去りました。彼は、父であるルートヴィヒ2世（ドイツ人王）とシュッセンガウ伯ヴェルフの娘エンマの次男として、古ヴェルフ家の血を引いています。兄弟との共同統治体制の中で、特に「若王」とも呼ばれていました。

生涯

876年8月に父ルートヴィヒ2世が亡くなると、ルートヴィヒ3世は兄のカールマン、弟のカール3世と共に父の遺領を分割し、フランケン、チューリンゲン、ザクセンを継承しました。同年9月には西フランク国王シャルル2世が東フランク王国の統一を目論み、アーヘンを急襲し、ケルンを拠点にルートヴィヒの領地へと侵攻しました。これに対し、三兄弟はルートヴィヒ3世を中心に連合軍を組織し、10月8日、アンデルナハの戦いでシャルル軍を打ち破りました。これにより、東フランク王国の独立を守り抜きました。また、879年の西フランク国王ルイ2世の死後、後継者争いが勃発すると、ルートヴィヒ3世はこれに介入し、880年のリブモント条約によって西ロレーヌの獲得に成功しました。さらに同年、兄カールマンが嫡出子なく亡くなったため、バイエルンも獲得し、広大な領土を統治することとなりました。しかし、彼の治世は平穏ではありませんでした。879年頃からノルマン人の侵略が激化し、880年にはエノーのティメオン近郊での勝利を得たものの、ルートヴィヒ3世自身が病床にあったため、コブレンツやトリーアなどが略奪を受けました。このノルマン人との戦いでは、義兄弟のザクセン公ブルンをはじめ、多くの家臣が戦死しました。

ルートヴィヒ3世は、882年に後継者を残すことなく亡くなり、東フランク王国は弟のカール3世によって再び統一されることとなりました。

子女

ザクセン公リウドルフの娘リウトガルトと結婚しましたが、嫡出の男子は早世しました。

ルイ （876年 - 879年） - フランクフルト王宮の窓から転落し死去。
ヒルデガルト （875/81年 - 900年以降） - フラウエンキームゼー修道院の修道女。
ベルンハルト。

また、以下の庶子がいました。

フーゴー （850年頃 - 880年）。
アダルハルト。

ルートヴィヒ3世の生涯は、カロリング朝の分裂と再編の時代を象徴しており、彼の死後、東フランク王国は一時的に統一を取り戻しますが、その後も様々な変遷をたどることとなります。

参考文献

成瀬治 他 編 『世界歴史大系 ドイツ史 1』 山川出版社、1997年
瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年
Reuter, Timothy. Germany in the Early Middle Ages 800-1056. New York: Longman, 1991.

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