ルート66 (曲)

ルート66（Get Your Kicks On Route 66）

「ルート66」は、アメリカのジャズ・ピアニストであり、ソングライターのボビー・トゥループが1946年に作った曲です。この曲はアメリカの文化を彩るポピュラーソングとしして、またジャズのスタンダードとしても広く知られています。トゥループはこの曲を、愛車でのドライブ中にふと思いつき、同乗していた友達との合唱を楽しみながら生まれた楽曲です。その結果、彼の代表作となりました。

曲名にある「ルート66」は、イリノイ州のシカゴからカリフォルニア州のサンタモニカまで延びる国道66号線を指しています。この道は、アメリカの象徴的な道路の一つで、歌詞はこの道路を走る旅の楽しさを伝えています。登場する地名は、沿線の観光地を連想させ、聴く人に親しみやすい印象を与えるものとなっています。

楽曲の特徴は、シンプルでキャッチーなリフを基にした明るい曲調です。親しみやすいメロディーに、観光案内のような軽快でコミカルな歌詞がマッチし、多くの人々に愛され続けてきました。この曲は、ナット・キング・コールによる歌唱によって初めて大ヒットし、それ以降も長い間歌い継がれています。

カヴァーアーティスト

「ルート66」は、数多くのアーティストによってカバーされてきました。1946年にはナット・キング・コールやビング・クロスビー、アンドリュー・シスターズなどのアーティストがヒットを記録しました。特にナット・キング・コールは、その後も1956年のアルバム『アフター・ミッドナイト』で再びこの曲を取り上げています。

1961年にはチャック・ベリーが自らのアルバム『ニュー・ジューク・ボックス・ヒッツ』でこの曲を演奏し、そのバージョンはローリング・ストーンズやゼム、ドクター・フィールグッドといったバンドによってもカバーされることになります。1976年にはカントリー・フィールドのアスリープ・アット・ザ・ホイールがこの曲を取り上げ、その後1990年にマイケル・マーティン・マーフィーが再ヒットを果たしました。

加えて、1982年にはマンハッタン・トランスファーがこの曲を歌い、バート・レイノルズの映画『シャーキーズ・マシーン』に利用されました。さらにザ・ベンチャーズとエディ藩の共演や、デペッシュ・モードによる1988年のメドレーなどもありました。日本でも、ザ・タイガースや綾戸智恵、南佳孝、鮎川誠などのアーティストがカバーを発表しています。

最近の例として、2006年に公開されたディズニーとピクサーの映画『カーズ』では、チャック・ベリーのカバーが挿入歌として使用され、エンディングテーマにはジョン・メイヤーのバージョンが選ばれました。

同名のテレビドラマ

「ルート66」という名前の小説や曲は、アメリカのCBSテレビで1960年から放送されていた同名のテレビドラマとは異なる作品ですが、当時のドラマのテーマ曲はネルソン・リドル楽団によるインストゥルメンタルだったため、曲ごとに独立している点も面白いところです。

このように、「ルート66」はアメリカの音楽シーンで長い歴史を有し、多くのアーティストに愛され続けている楽曲であることが伺えます。

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