ルーマニア公国

ルーマニア公国の歴史と背景

ルーマニア公国は、1859年にワラキア公国とモルダヴィア公国が合併する形で誕生した東ヨーロッパの国家です。この国は1881年3月13日に国王カロル1世によって王制へ移行し、ルーマニア王国となりました。

形成の背景

両公国は、オスマン帝国の侵攻によって一時は敗北しましたが、外交的な屈辱を受けたものの、オスマン帝国の宗主権下である程度の自治を認められ存続しました。しかし、17世紀以降はオスマン帝国の権威が弱まる中、ロシア帝国やオーストリア帝国など外部の勢力が干渉するようになりました。

19世紀には、オスマン帝国のさらなる衰退が見られ、1791年のセルビア公国の独立、1822年のギリシャ第一共和政の樹立、1852年のモンテネグロ公国の成立など、周辺地域でも独立運動が活発化しました。これにより、ワラキアやモルダヴィアの住民の間にも民族的な意識が高まり、例えばワラキア蜂起などの動乱が引き起こされました。クリミア戦争でのオスマン帝国とロシア帝国の消耗もあいまって、両公国は連合公国としての広範な自治を得ることが可能になりました。

名称の変遷

ルーマニア公国の名称は、成立時から数度の変更がありました。初めに「連合公国」として1859年から1862年まで利用されました。その後「ルーマニア連合公国」という名称に改められ、1866年まで続きました。最終的には「ルーマニア公国」が1866年から1881年まで使用されました。

主要な歴史的出来事

• - 1859年: ワラキア公国とモルダヴィア公国が合併し、連合公国が誕生。
• - 1861年: 国名が「ルーマニア公国」に変更される。
• - 1866年: アレクサンドル・クザ公が退位し、カロルの下で新しい憲法が発布されます。
• - 1877年: 露土戦争が勃発し、ルーマニアはロシア帝国側で参戦。
• - 1878年: ベルリン条約により、ルーマニアはオスマン帝国から完全に独立。
• - 1881年: カロル1世がルーマニア国王に即位し、王制の確立が行われる。

これらの出来事を通じて、ルーマニアは民族のアイデンティティを確立し、国家としての体制を整えていきました。特に、独立の過程と王制への移行は、近代ルーマニアの形成における重要な転機となりました。今日のルーマニアは、この複雑な歴史を背景に持ち、その文化や伝統に深く根付いています。

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