レイクヴィラファーム

レイクヴィラファーム：名門の系譜を受け継ぐ競走馬生産牧場

北海道虻田郡洞爺湖町に位置するレイクヴィラファームは、競走馬生産を専門とする牧場です。2011年、歴史あるメジロ牧場が閉場した際に、同牧場の専務取締役であった岩崎伸道氏が設備と繋養馬を引き継ぎ、新たな一歩を踏み出しました。

メジロ牧場は、日本の競馬史に数々の名馬を送り出した名門でしたが、閉場という憂き目に遭いました。レイクヴィラファームの設立は、その伝統と技術を途絶えさせない、いわばバトンタッチと言えるでしょう。しかし、単なる継承にとどまらず、新たな挑戦も含まれています。

岩崎氏は、吉田勝己氏が経営するノーザンファームと深い繋がりを持っており、経営面、技術面において全面的な支援を受けています。メジロ牧場がオーナーブリーダーとして馬主と生産を兼ねていたのに対し、レイクヴィラファームは生産に特化したマーケットブリーダーとして、より効率的な競走馬生産を目指しています。

設立から間もなく、レイクヴィラファームは目覚ましい成果を挙げ始めます。2014年、生産馬ショウナンラグーンが青葉賞で優勝し、重賞初勝利を飾りました。ショウナンラグーンは、メジロ牧場の至宝、GI競走5勝を挙げたメジロドーベルの孫にあたる血統を持つ馬でした。これは、レイクヴィラファームの生産技術の高さを示す象徴的な出来事となりました。

そして2019年には、生産馬グローリーヴェイズが香港ヴァーズでGⅠ初制覇を成し遂げます。グローリーヴェイズは、メジロライアンとメジロラモーヌという、メジロ牧場を代表する名馬たちの血を受け継いでいます。メジロライアンは宝塚記念優勝馬、メジロラモーヌは日本競馬史上初の三冠牝馬という輝かしい実績を持つ名馬です。これらの勝利は、レイクヴィラファームがメジロ牧場の伝統を継承しつつ、新たな成功を収めていることを証明しています。

レイクヴィラファームは、ショウナンラグーンやグローリーヴェイズ以外にも、数々の活躍馬を輩出しています。

主な生産馬

ショウナンラグーン (2014年青葉賞)
コウソクストレート (2017年ファルコンステークス)
トリオンフ (2018年小倉大賞典、小倉記念、2020年中山金杯)
グローリーヴェイズ (2019年日経新春杯、香港ヴァーズ、2020年京都大賞典、2021年香港ヴァーズ)
スズカプレスト (2020年京都ハイジャンプ)
ホウオウイクセル (2021年フラワーカップ)
クールキャット (2021年フローラステークス)
カフジオクタゴン (2022年レパードステークス)
* ライトバック (2024年エルフィンステークス、桜花賞3着、優駿牝馬3着)

これらの馬たちの活躍は、レイクヴィラファームの生産技術の高さ、そしてメジロ牧場から受け継いだ伝統の重みを物語っています。

さらに、レイクヴィラファームでは、メジロ牧場から繋養された多くの功労馬も受け継いでいます。メジロパーマー、メジロライアン、メジロドーベルなど、日本の競馬史に名を刻んだ名馬たちが、牧場で静かに余生を過ごしていました。（メジロパーマー、メジロライアン、メジロダーリングは既に亡くなっています。）

レイクヴィラファームは、単なる競走馬生産牧場にとどまらず、日本の競馬史に貢献した名門の伝統を受け継ぎ、新たな時代を切り開こうとする挑戦的な存在なのです。その歩みは、これからも多くの競馬ファンを魅了し続けることでしょう。

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