メジロ牧場

有限会社メジロ牧場の歴史

有限会社メジロ牧場（メジロぼくじょう）は、かつて北海道虻田郡洞爺湖町に存在した競走馬の生産牧場です。この牧場は、日本を代表するオーナーブリーダーであり、多くの名馬を世に送り出してきました。中でも、史上初の牝馬三冠馬・メジロラモーヌや、GI競走で5勝を挙げたメジロドーベルはその名を広めました。加えて、メジロ牧場の勝負服は「白、緑一本輪、袖緑縦縞」という特徴あるデザインでした。

牧場の設立と成長

メジロ牧場は1967年に設立され、創業者である北野豊吉は、北海道伊達市に土地を借りて開場しました。牧場の名称は、北野の自宅所在地である東京都豊島区の「目白」に由来しています。開業以来、メジロ牧場は数多くの重賞優勝馬を生産し、1982年にはメジロティターンが天皇賞（秋）を制覇し、名だたる競走馬誕生のきっかけを作りました。以降もメジロライアンやメジロドーベルなど、多くの名馬がこの牧場から生まれました。

しかし、2000年代に入ると牧場の成績は次第に低迷していきました。特に2006年以降、重賞競走での勝利が途絶え、経営も厳しくなったため、2011年に牧場を解散する決断を下しました。それに伴い、馬主業からも撤退しました。

生産馬の特徴と戦略

メジロ牧場では「長距離のメジロ」として知られるように、主に長距離競走向けの馬が生産されていました。特に障害競走での成功も著しく、メジロアンタレスやメジロマスキットなど、最優秀障害馬を生み出しています。しかし、晩年には長距離競走自体の価値が低下した影響を受け、長距離馬だけではなく多様な競走馬が生産されるようになりました。

生産方針としては内国産の種牡馬や自家生産の種牡馬を重視し、特にメジロアサマからメジロティターン、メジロマックイーンへと続く「父子三代の天皇賞制覇」は日本競馬史上に残る偉業とされています。一方で、社台系の血統も積極的に取り入れ、時には流行の種牡馬を選ぶこともありました。しかし、これにより長らく成功を収める馬は現れず、2000年にようやく重賞競走を勝ち取る馬が誕生しました。

自然の脅威と移転

メジロ牧場は日本の有数の活火山、有珠山の近くに位置するため、二度の噴火による被害を受けてきました。1977年の噴火では火山灰が数十センチ積もり、牧場全域が大きな影響を受けました。それでも、火山灰地の土壌は肥沃だったため、牧場にとっては有益な点でもありました。2000年の噴火では、他牧場に馬を避難させるのみで済みましたが、影響が続きました。

経営の終焉

メジロ牧場は2011年、競馬からの撤退を決定しました。生産馬や所有馬の成績不振、有珠山噴火の影響もありました。解散に伴い、牧場名義で保有していた競走馬は他の関係者の元へ移転し、最後の出走馬は有終の美を飾りました。その後、メジロという冠名を持つ競走馬は現役馬として残ることとなりました。

歴代の代表者

メジロ牧場を運営していた代表者として、創設者の北野豊吉から始まり、その後北野ミヤ、そして北野雄二が引き継ぎました。豊吉の死後は、専務取締役の岩崎伸道が実質的な運営をおこなっていました。

まとめ

メジロ牧場は、日本競馬史に名を刻んだ素晴らしい競走馬を輩出した場所であり、その影響は今でも語り継がれています。しかし、経営の厳しさや自然災害など、多くの苦難に直面し、最終的に草野球に向けた新たな道を模索せざるを得ませんでした。それでも、メジロ牧場の名声は競馬ファンや関係者の心に残り続けることでしょう。

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