レイク郡 (オレゴン州)

オレゴン州レイク郡：広大な自然と歴史が息づく地

レイク郡は、オレゴン州の中南部に位置し、広大な高原砂漠地帯に広がる郡です。その名前は、アバート湖、ハートレイク貯水池、グース湖など、数多くの湖が存在することに由来します。オレゴン州内で最も広い面積を持つ一方で、人口密度は非常に低く、その雄大な自然と歴史が特徴です。

地理と特徴

レイク郡は、「オレゴンの奥地」とも称されるグレートベースン南西端に位置し、高原砂漠地帯が広がります。この地域は、レイクビューやペイズリーを中心とする南部地域と、クリスマスバレー、フォートロック、シルバーレイクを中心とする北部地域に大別されます。郡内には、アルカリ湖、高原砂漠の低木地帯、ウェスタンジュニパーやマツの森林地帯が山間部に広がっています。

歴史

先コロンビア期

レイク郡の歴史は非常に古く、郡北部のペイズリー洞窟からは、14,300年前のクローヴィス文化時代の糞石が発見されています。この発見は、アメリカ先住民の遺伝的なルーツを探る上で重要な手がかりとなりました。また、フォートロック洞窟からは1万年以上前の籠細工や石器、サンダルが発見され、この地域の古代からの歴史を物語っています。

近代以降

19世紀初頭には、ヨーロッパの探検家や罠猟師がこの地に訪れました。ハドソン湾会社のピーター・スキーン・オグデンやジョン・ワークは、この地域を探検し、グース湖やワーナー湖周辺に足跡を残しました。1843年には、ジョン・C・フレモント隊がクリスマス湖に到達しています。

レイク郡は、かつてバスク人やアイルランド人が多く住み、牧羊が盛んでした。しかし、牧牛家との間で放牧権を巡る争いが起こり、20世紀初頭には「羊撃ち」と呼ばれる抗争事件も発生しました。

レイク郡は1874年にワスコ郡とジャクソン郡から分割されて成立しました。郡庁は当初リンクビルに置かれましたが、後にレイクビューに移されました。当時、レイク郡の経済はオレゴン州内よりもカリフォルニア州との結びつきが強く、新聞もサンフランシスコのものが読まれていました。

鉄道が開通したのは1890年代であり、ネバダ州リノとの間を結ぶ鉄道支線ができました。1900年にはレイクビューで大火災が発生し、市内の多くの企業が被害を受けました。

経済

レイク郡の経済は、農業、林業、自然資源の採集、医療、刑務所運営、公共部門に依存しています。特に牧牛が盛んで、乾燥した気候ながら灌漑技術を駆使して、家畜飼育や乾草の栽培が行われています。材木は、フレモント国有林や土地管理局保有地、私有地から採集されます。

レイクビュー周辺にはパーライトの鉱山が存在し、過去にはウラン鉱山も存在しました。石油の試掘も行われましたが、成功には至りませんでした。

郡内には、国有林や土地管理局の本部があるため、政府による高給の雇用も存在します。また、観光業も成長しており、ハート山国立アンテロープ保護区、ハンターズ・ホットスプリングス、グース湖、ワーナーキャニオンなどの名所があります。

政治

レイク郡は政治的にはオレゴン東部に近い傾向があり、共和党の支持が強い地域です。2008年の大統領選挙では、共和党のジョン・マケインが71.53%の支持を得ました。しかし、2004年の選挙と比較すると、わずかに民主党への支持が増加しています。

地理的特徴

レイク郡は、標高1,260mから2,574mまでの多様な地形を有しています。アルカリ湖や高原砂漠、森林地帯が混在し、ロックハンティングや自然地形の観光が盛んです。クリスマス渓谷砂丘の近郊には、ロストフォレスト研究自然地域という保護された古い森林地帯があります。フォッシル湖周辺では、先史時代の動物の化石が多く出土します。

分水界と湖

レイク郡には、ビーバー＝サイスフォーク分水界、グース湖分水界、アバート湖分水界など、12の分水界が属しています。また、アバート湖、アルカリ湖、グース湖、ハート湖、ワーナー湖群など、数多くの湖が存在します。

隣接郡

レイク郡は、北にデシューツ郡、西にクラマス郡、東にハーニー郡、南にカリフォルニア州モドック郡、ネバダ州ワショー郡と隣接しています。

人口動態

2000年の国勢調査では、郡の人口は7,422人であり、白人が90.97%を占めていました。世帯ごとの平均的な収入は29,506米ドル、家族ごとの平均的な収入は36,182米ドルでした。

文化

レイク郡には、フォートロックやフォートロック・ホームステッド村博物館など、地質学的にも興味深い名所が多く存在します。特に、フォートロック洞窟から発見された古代のサンダルは、考古学的に重要な発見となりました。また、オレゴン産の日長石もこの地域で採掘されます。

メディアと交通

レイク郡では、「デザート・ウィスパーズ」や「レイク・カウンティ・エグザミナー」などの新聞が発行されています。幹線道路としては、オレゴン州道31号線と国道395号線が利用できます。鉄道はレイク郡鉄道が運行しています。

レイク郡は、その広大な自然と豊かな歴史が共存する場所です。訪れる人々は、その独特の景観と文化に魅了されることでしょう。

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