レイコルト KLTV

レイコルト - 起亜軽戦術車両

レイコルト（韓国語：현마、漢字：現馬）は、大韓民国の起亜自動車が開発した歩兵機動車です。この車両は、2016年に量産が開始され、同年から韓国陸軍における運用が始まりました。これにより、韓国軍の戦闘能力が向上することが期待されています。

開発の背景

レイコルトは、韓国国防省の支援と資金提供を受けて、韓国軍専用に設計されました。従来の起亜KM420およびKM450を置き換える目的で調達が進められています。2015年には、アラブ首長国連邦のアブ・ダビで開催された国際防衛展示会IDEXで初めてお披露目され、その後も複数の防衛関連展示会で展示されました。2016年には、韓国国防省からの正式な生産開始が発表され、製造が本格化しました。

特徴と性能

レイコルトは軽量化を重視した設計で、そのホイールベースは長めに設定されています。主な基本形は、4ドア型のK151（装甲輸送車型）とK152（装甲兵員輸送車型）です。これらはモジュラー構造を取り入れた設計となっており、柔軟な運用が可能です。

乗員は運転手を含め4名。防弾性能も高く、防弾ガラスや防弾構造の複合パネルが車体とドアに使用されており、床面は地雷の爆発に耐えうるように設計されています。また、屋根部分にはM2ブローニング重機関銃を装備できる遠隔武器ステーション（RWS）があり、防弾板を備えた銃手を保護します。RWSには7.62mm機関銃、12.7mm重機関銃、40mm自動擲弾銃、さらには対戦車ミサイルなどの装備が選択可能です。

さらに、戦闘や防衛に必要な通信用のラジオ、コンピュータ、各種電子機器を搭載するための10kW発電機も装備されています。

多様な派生型

レイコルトは、基本形だけでなく多様な派生型が開発されています。代表的なものには、KLTV141（公式型K151）、KLTV181（K152）、KLTV182（K153）などの装甲兵員輸送車型、また機関銃や対戦車ミサイルを搭載できるK153C、さらには射弾観測専用のK154があります。非装甲車両にもKLTV280多用途車や貨物車がありますが、これらも各種任務に対応して設計されています。

運用国

レイコルトは韓国をはじめ、マリ、ナイジェリア（2020年から18輌以上）、フィリピン、トルクメニスタン（19輌以上）、チリ（2022年12月から）、ポーランド（400輌の発注）など、多くの国で運用されています。また、ナイジェリア陸軍が運用していたものがISILによって鹵獲されるなど、戦場でも活躍しています。

このように、レイコルトは韓国自動車産業の技術を駆使した歩兵機動車として、多国籍にわたる利用が進んでいます。

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