レイトンハウス・CG901

レイトンハウス・CG901 (Leyton House CG901)

レイトンハウス・CG901は、1990年のF1世界選手権で活躍したフォーミュラ1カーです。この車両はレイトンハウスが開発し、著名なエンジニアであるエイドリアン・ニューウェイとグスタフ・ブルナーによって設計されました。レイトンハウスは1989年にマーチを買収し、「レイトンハウス」としての初めてのマシンとなりました。

開発の背景

CG901は前年に製作されたCG891の後継モデルとして開発され、1990年シーズンの競技に向けて4月にイモラにて合同テストが行われました。このテストでは、イヴァン・カペリがアクティブサスペンションを搭載したマシンを駆り、その性能を確認しました。また、フランスGPからは改良型の「CG901B」が投入され、空力の向上が図られました。主な変更点は、風洞実験を基にした設計ミスの修正でした。

このマシンの設計は空力学を重視しており、ピッチやロールに敏感な特性を持ったため、そのサスペンションは硬めの設定が必要でした。モノコックはカーボンファイバー製で、ドライバーやフロントサスペンション、燃料タンクが一体化されていました。そのため、コックピットは非常に狭く作られ、ドライバーの足元には調整可能なダンパーが設置されるなど、独特な設計となっていました。エンジンは3.5リッターV8のジャッドEVが搭載され、冷却システムも最新のインディカー技術を取り入れたものです。ギアボックスは6速で構成され、従来の設計とは異なる工夫がされていました。

レースでのパフォーマンス

しかし、CG901はその特性から性能に一貫性がなく、特に路面の状態に敏感でした。技術的な問題も多く見られ、サーキットの特性によってパフォーマンスが大きく変化しました。ブラジルGPとメキシコGPでは、路面のバンピングに適応できず、両ドライバーともに予選落ちを余儀なくされました。

その後、フランスGPでBスペックを導入し、レース中に大胆なタイヤ無交換戦略を展開。結果的に、カペリが2位、グージェルミンが3位という好成績を収めました。しかし、この好調さを持続できず、その後も信頼性の問題に苦しむことになります。

シーズンの結果と影響

ニューウェイはこのシーズンの前に解雇され、以降はウィリアムズに移籍。CG901の経験を生かし、次に手がけたFW14でも空力デザインを追求し成功を収めました。CG901はその後のフォーミュラ1カーの設計に影響を与えたとされています。

スペックと成績

以下はCG901の主なスペックです。

• - クラッチ：AP / Hitco
• - ブレーキキャリパー：SEP
• - ブレーキディスク・パッド：カーボンインダストリー / ブレンボ
• - スパークプラグ：チャンピオン

F1においてのコンストラクターズランキングは7位、ドライバーズランキングでカペリが10位（予選最高位7位、決勝最高位2位）、グージェルミンが18位（予選最高位10位、決勝最高位6位）を記録しました。総じて、CG901は独特な魅力と技術的特色を持つモデルとしてF1史に名を刻むこととなりました。

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