1990年のF1世界選手権

1990年のF1世界選手権概要

1990年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第41回大会として開催されました。このシーズンは、1990年3月11日にアメリカで始まり、11月4日にオーストラリアにて最終戦が行われる形で、全16戦が争われました。

シーズンの展開

この年も、前年度からの流れを受け継いだマクラーレン・ホンダが圧倒的な強さを発揮しました。使用されたマシンは前年の4/5改良版である4/5Bであり、アイルトン・セナとゲルハルト・ベルガーの二人がチームを牽引しました。セナはこのシーズンで6勝を果たし、3シーズン連続のコンストラクターズタイトルを達成。ベルガーは着実にポイントを積み重ねましたが、勝利はありませんでした。

また、前年のチャンピオン、アラン・プロストがドライブするフェラーリ641/2は、マクラーレン・ホンダとの直接対決を繰り広げ、同じく6勝を獲得したものの、エンジンやトランスミッションの信頼性に課題があり、リタイアが多く見られました。最終的にフェラーリは2位となりました。

フォードエンジンを搭載するベネトンは、信頼性こそ高かったものの、上位2チームには敵わず、しかし終盤にはネルソン・ピケとアレッサンドロ・ナニーニが連勝を飾るなどしてコンストラクターズ3位に位置しました。ウィリアムズも2勝を挙げるものの、最終的には4位に終わりました。

ティレルは、ハイノーズとアンヘドラル・ウィングの特徴を有するマシンを持ち込み、ジャン・アレジの攻撃的な走りと中嶋悟の安定したポイント獲得でコンストラクターズ5位に入りました。鈴木亜久里とエリック・ベルナールを擁するラルースもポイントを稼ぎ、最高6位に達しました。

ドライバーズランキング

アイルトン・セナとアラン・プロストのライバル関係は、前年に引き続きこの年も続きました。セナが6勝を挙げてチャンピオンの座を獲得し、プロストは5勝と続きました。日本GPでは、鈴木亜久里が日本人ドライバーとして初めての表彰台を獲得し、3位に輝きました。また、中嶋悟も数回ポイント圏内にフィニッシュしました。

この年には、ジャンニ・モルビデリがデビューを果たしましたが、ライフから復帰したブルーノ・ジャコメリは予備予選を通過できずにF1から引退する結果となりました。

エントリー情報

エントリーリストは年々変動があり、ドライバー変更やエンジン変更が行われました。具体的には、ブラバムのNo.7は開幕から2戦のみフォイテクがドライブしたほか、スクーデリア・イタリアはモルビデリが担当しました。また、コローニはフォードエンジンにスイッチし、ライフはジャッドへのスイッチを行っています。

まとめ

1990年のF1シーズンは、セナとプロストの激しい競争に加えて、多くのチームがそれぞれの特性を活かして戦いました。マクラーレン・ホンダの支配的なパフォーマンスが印象的であり、観客やファンにとって記憶に残るシーズンとなりました。

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