レオポルト3世 (オーストリア公)

レオポルト3世：ハプスブルク家再興を夢見たオーストリア公

レオポルト3世（1351年 - 1386年）は、ハプスブルク家出身のオーストリア公であり、後に神聖ローマ皇帝位の世襲化を果たすレオポルト系ハプスブルク家の祖となりました。彼は、ローマ王アルブレヒト1世の孫として生まれ、兄たちと共にハプスブルク家の領地を統治しました。

生涯

1365年、兄ルドルフ4世の死後、アルブレヒト3世と共にハプスブルク家領を共同統治しました。1379年には所領を分割し、レオポルトはシュタイアーマルク、ケルンテン、クライン、ゴリツィア、チロルなどを単独で統治することになりました。

1375年、エンゲラント卿7世ド・クーシー率いる傭兵軍がアールガウに侵攻（ガグラー戦争）すると、レオポルドは戦闘を避け、アールガウ一帯の破壊を命令しました。傭兵軍はフラウブルンネンで大敗し、翌年にはフランスへ撤退しましたが、住民の食糧まで奪う焦土作戦を行ったレオポルドは、スイス人の恨みを買うこととなりました。

1386年、ハプスブルク家の再興を図るため、スイス西部への勢力拡大を企てましたが、ゼンパッハの戦いにおいて、盟約者同盟軍の反攻に遭い、自身も戦死するという悲劇的な結末を迎えました。

子女

レオポルト3世は、1365年にミラノの僭主ベルナボ・ヴィスコンティの娘ヴェルデと結婚し、6人の子供をもうけました。

ヴィルヘルム（1370年 - 1406年）
レオポルト4世（1371年 - 1411年）
エルンスト（1377年 - 1424年）：「鉄公」と呼ばれ、後の皇帝フリードリヒ3世の父となりました。
エリーザベト（1378年 - 1392年）
フリードリヒ4世（1382年 - 1439年）
カタリーナ（1385年? - ?）

レオポルト3世は、ハプスブルク家の勢力拡大に奔走しましたが、スイスでの敗北により志半ばで倒れました。しかし、彼の子孫は着実に勢力を拡大し、神聖ローマ皇帝位の世襲化を達成することになります。

もう一度検索