レオポール・セダール・サンゴール

レオポール・セダール・サンゴール：詩人にして大統領

レオポール・セダール・サンゴール (1906年10月9日 - 2001年12月20日) は、セネガルの独立を導いた初代大統領であり、世界的に名高い詩人です。彼の生涯は、植民地時代の経験から独立国家の建設、そしてフランス語圏の文化交流へと、アフリカの歴史に深く刻まれたものです。

セネガルでの生い立ちとフランスでの活動

サンゴールは、セネガルのジョアル村で、セレール族のカトリック教徒として生まれました。当時、セネガルはフランス領西アフリカの一部でした。彼はフランスに留学し、第二次世界大戦中にはフランス軍に志願、捕虜となるも、レジスタンス運動に加わり、後のフランス大統領であるジョルジュ・ポンピドゥーと親交を深めました。この経験は、彼の政治思想に大きな影響を与えたと考えられています。

詩人としての業績とネグリチュード運動

サンゴールは、フランス語で詩作活動を行い、その才能は広く認められました。マルティニークの詩人エメ・セゼールと共に、ネグリチュード運動の中心人物として、黒人の文化やアイデンティティを肯定する詩作を発表しました。ネグリチュード運動は、植民地支配下にあったアフリカやカリブ海の黒人の文化と尊厳を再発見する試みとして、大きな影響力を持つことになります。サンゴールの詩は、アフリカの伝統と近代性を融合させた独自の表現で知られ、1983年にはアフリカ人として初めてアカデミー・フランセーズの会員に選ばれました。数々の賞を受賞しており、ドイツ書籍協会平和賞、ストルガ詩の夕べ金冠賞、チーノ・デル・ドゥーカ世界賞など、その功績は国際的に高く評価されています。さらに、セネガル国歌の作詞も手掛けています。

独立後の政治活動と国際貢献

セネガル独立後、サンゴールは大統領として、アフリカ社会主義を基調とした政策を推進しました。外交面では、親欧米、特に親仏政策をとり、モンロビア・グループを率いてアフリカ諸国の安定と発展に貢献しました。チュニジアのブルギーバ大統領やニジェールのディオリ大統領らと共に、フランコフォニー国際機関の設立にも尽力しています。

サンゴールの遺産

サンゴールの死後も、彼の功績は様々な形で記憶されています。セネガルの主要な空港、競技場、橋などには彼の名が付けられています。彼の詩集『影の歌』(Chants d'ombre)を始めとする作品群は、今日でも世界中で読まれ、その思想は、アフリカの文化と歴史、そして独立への道を考える上で重要な指針となっています。彼の政治理念も、アフリカの社会主義や民族独立運動に多大な影響を与えました。サンゴールは、単なる政治家や詩人ではなく、20世紀アフリカの歴史を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

主な作品

Chants d'ombre (1945)
Hosties noires (1948)
Anthologie de la nouvelle poésie nègre et malgache (1948)
Ethiopiques (1956)
Nocturnes (1961)
Lettres de d'hivernage (1973)
Elégies majeures (1979)
La poésie de l'action : conversation avec Mohamed Aziza (1980)
Ce que je crois (1988)

関連

レオポール・セダール・サンゴール国際空港
レオポール・セダール・サンゴール競技場
レオポール・セダール・サンゴール橋

もう一度検索