レオンティオス

レオンティオスは、7世紀後半の東ローマ帝国で皇帝として短い期間（695年-698年）君臨した人物です。彼はギリシア語ではΛεόντιος（Leontios）、ラテン語ではLeontiusと表記されます。イサウリア地方の出身で、ヘラクレイオス王朝とは血縁関係はありません。

軍人としての台頭と失脚

コンスタンティノス4世の時代から、テマ・アナトリコンの長官として活躍しました。686年には、ユスティニアノス2世によってアルメニア戦線に投入されるなど、軍人としての地位を確立していました。しかし、ユスティニアノス2世の怒りを買い、692年頃に投獄されるという憂き目に遭います。

クーデターによる皇帝即位

695年、レオンティオスは赦免され、新設されたテマ・ヘラスの長官に任じられます。しかし、彼はサーカス党派の力を借りてクーデターを起こし、ユスティニアノス2世を捕らえて鼻を削ぎ、クリミア半島のケルソンに追放しました。そして自ら皇帝として即位します。この時、彼は公的にはレオンティオスではなく、レオーンを名乗りました。

統治と失脚

レオンティオスの治世では、帝国の北アフリカ支配を揺るがす出来事が起こりました。695年には、帝国の拠点であったカルタゴがウマイヤ朝に制圧されてしまいます。これに対し、レオンティオスは艦隊を派遣し、697年にはカルタゴを一時的に奪還しました。しかし、698年のカルタゴの戦いで再びカルタゴを失います。

さらに、カルタゴからクレタ島まで撤退してきた艦隊が、テマ・キビュライオタイの指揮官アプシマロス（後のティベリオス3世）を擁して反乱を起こしました。この反乱軍はコンスタンティノポリスを攻略し、レオンティオスは廃位されて投獄されます。

最期

その後、705年にユスティニアノス2世が復位すると、復讐に燃えるユスティニアノスによって、レオンティオスはティベリオス3世と共に処刑されました。彼は激動の時代を生き抜き、権力闘争の中でその生涯を終えたのです。

レオンティオスの短い統治期間は、東ローマ帝国が抱える不安定さを示す一例として、歴史に刻まれています。彼の生涯は、権力と裏切り、そして復讐が渦巻く歴史の一幕を鮮やかに描いています。

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