レオーン5世

レオーン5世、通称「アルメニオス」は、東ローマ帝国の皇帝として、813年から820年まで統治しました。彼の「アルメニオス」というあだ名は「アルメニア人」を意味し、その名の通りアルメニア系の出自でした。

生涯

レオーン5世は、パトリキオスのバルダスの息子として生まれました。若い頃には、後のアモリア朝の創始者となるミカエル2世と共に、小アジアのテマの長官を務めていたバルダネス・トゥルコスの幕僚として働いていました。803年、バルダネスがニケフォロス1世に対して反乱を起こした際、レオーンはバルダネスを裏切り、ニケフォロス1世に味方しました。しかし、ニケフォロス1世は後にレオーンを解任しました。

その後、ミカエル1世ランガベによって呼び戻され、テマ・アナトリコンの長官に任命されました。813年、ミカエル1世がブルガリアのハーン・クルムとの戦いに敗北した後、レオーンはミカエル1世から譲位され、皇帝に即位しました。当時、クルムの軍勢は首都コンスタンティノープルに迫っていましたが、レオーン5世はコンスタンティノープルの城壁を強化し、クルムの侵攻を食い止めました。814年にクルムが急死すると、後を継いだオムルタグとの間で30年間の和平条約（815年の条約）を締結しました。

国内では、815年に聖像破壊運動（イコノクラスム）を復活させ、これに反対したコンスタンティノープル総主教ニケフォロスを解任しました。しかし、この政策は強い反対運動を招き、国内は混乱しました。

レオーン5世は、旧友であるミカエルを重用していましたが、次第に両者の間には対立が生じるようになりました。820年、レオーン5世はミカエルを捕らえ、処刑しようとしました。しかし、妃テオドシアがクリスマスのために処刑を延期するように訴えたため、処刑は1日延期されました。この延期が、ミカエルの支持者たちに反撃の機会を与えてしまいました。レオーン5世は、翌朝のミサ中にミカエルの支持者たちによって暗殺されました。彼の遺体は布に包まれ、コンスタンティノープル近郊のプロテ島に運ばれて埋葬されました。また、共同皇帝であった息子コンスタンティノスを含む彼の息子たちは、修道士にされました。その後、ミカエルがミカエル2世として皇帝の座に就きました。

レオーン5世の治世は、ブルガリアとの戦争の終結や聖像破壊運動の再開など、東ローマ帝国にとって重要な出来事が数多くありました。彼の治世は短期間でしたが、その後の帝国の歴史に大きな影響を与えました。

関連項目

* 815年の条約

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