ミカエル2世

ミカエル2世（ミハイル2世）は、東ローマ帝国アモリア王朝の初代皇帝（在位：820年 - 829年）です。彼は「トラウロス」、つまり「吃音者」というあだ名で知られています。

生涯

ミカエル2世は、小アジア半島内陸部のアモリオン出身です。彼が異端のアティンガノス派の信者であったという説もありますが、真偽は不明です。若い頃、彼はレオーン5世やスラヴ人トマスと共にバルダネス・トゥルコスに仕え、レオーンとは親友でした。また、アナトリコンの長官の娘と結婚しています。

レオーン5世が皇帝になると、ミカエルは近衛部隊長官に任命されますが、両者の関係は次第に悪化します。820年12月、ミカエルは逮捕されます。しかし、クリスマスのため処刑が1日延期され、その間にミカエルの支持者たちがレオーン5世を暗殺し、ミカエルが皇帝に即位しました。

即位後、スラヴ人トマスが反乱を起こしました（トマスの乱）。キビュライオタイがトマスの側に参加するなど、鎮圧は難航しましたが、ミカエル2世は第一次ブルガリア帝国を味方につけ、824年にこれを鎮圧しました。しかし、トマスの乱で艦隊がダメージを受けたため、地中海におけるイスラーム勢力の侵攻に対応することができませんでした。827年頃には、シチリア島で起きた反乱に乗じて、北アフリカのアグラブ朝がシチリア島の攻略を開始しました。また同時期に、クレタ島もイスラーム教徒の侵略を受けました。

権威を高めるため、ミカエル2世はイサウリア王朝のコンスタンティノス6世の娘エウフロシュネと再婚しました。彼はレオーン5世が再開したイコノクラスム政策を継承しましたが、過激な弾圧は行いませんでした。

ミカエル2世は、その治世において、内乱と外敵の侵入に苦しめられましたが、アモリア王朝の基礎を築いた皇帝として歴史に名を残しています。

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