レガトゥス・レギオニス

レガトゥス・レギオニス：古代ローマ軍団の司令官

レガトゥス・レギオニス（ラテン語: legatus legionis）は、古代ローマ軍における軍団（レギオ、legio）の司令官を指します。日本語では、軍団長、副官、総督代理など、文脈に応じて様々な訳語が用いられます。

語源と意味

「レガトゥス」（legatus）は、ラテン語で「任命する」を意味する動詞「レーゴー」（lego）に由来し、「任命された者」を意味します。「レギオニス」（legionis）は「軍団の」を意味する形容詞であり、レガトゥスと同様の語源を持ちます。通常は単に「レガトゥス」と呼ばれることが多く、同じ単語が「使者」を意味する場合もあるため、翻訳の際には注意が必要です。

概要

レガトゥス・レギオニスは、マリウスの軍制改革によってトリブヌス・ミリトゥムの上に設けられた役職です。ローマ軍の総司令官や属州総督（プロコンスルやプロプラエトル）によって、レガトゥスの中から選ばれて任命され、1個から数個軍団の指揮を任されました。軍団長の下には、各軍団ごとに6名のトリブヌス・ミリトゥムが選出され、2名ずつ3交代で軍団の運営を司りました。

選出と地位

レガトゥスは、元老院によって元老院議員クラスの者から選ばれることが一般的でした。その地位は、帝政後期のドゥクスよりも下位であり、トリブヌスよりも上位に位置づけられていました。

軍団における役割

レガトゥス・レギオニスは、軍団の最高責任者として、軍事作戦の指揮、兵士の訓練、軍紀の維持など、軍団に関するあらゆる事項を統括しました。属州総督の代理として軍団を指揮する場合は、総督の命令に従いながら、現地の状況に応じて柔軟に対応することが求められました。

その他のレガトゥス

レガトゥスには、レガトゥス・レギオニスの他にも、属州総督の補佐官であるレガトゥス・アウグスティ・プロプラエトーレなど、様々な種類が存在します。これらのレガトゥスは、それぞれ異なる役割と責任を担っていました。

まとめ

レガトゥス・レギオニスは、古代ローマ軍において重要な役割を果たした役職であり、その選出や地位、役割は、ローマ軍の組織構造や政治体制を理解する上で欠かせない要素です。

関連項目

ローマ軍
レガトゥス

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